【二宮寿朗の週刊文蹴】試されるポゼッション使い分け

2017年10月6日12時0分  スポーツ報知

 決闘を意味するデュエルの次に植えつけるのは、プレーコントロールだ。

 9月28日のメンバー発表会見でハリルホジッチ監督はあるデータを提示した。欧州CLのパリSG対バイエルン(同27日)のボール支配率。37・6%のパリSGが3―0で勝利し、1対1での勝率が57・4%だったとホワイトボードの数字を指した。「日本サッカーの教育はポゼッションが中心。ただ、ポゼッションをしたから勝てるわけではない」と“ポゼッション信仰”にクギを刺したのだ。

 球際の勝負に勝ってボールを奪い取り、素早くゴールへと向かう。となれば、ボール支配率は下がる。2―0で勝利した先のオーストラリア戦(8月31日)は公式記録によれば日本の38・4%だった。ザック・ジャパン時代にアジア最終予選で対戦した13年6月のホーム戦(1―1)が57・3%。相手の戦い方の変化も背景にあるとはいえ、随分と違っている。

 ただ、指揮官はボール支配率を高めることを否定しているわけではない。話を二者択一に持っていくと本質と違ってくる。今年3月にインタビューした際、指揮官はこのように語っている。「例えば攻撃時。日本の特長を考えれば、グラウンダーのパスを使いながらスピードを生かしたサッカーをすればいいと思っている。相手の裏、ギャップを狙い、点を取るためにはスピードを出して前に行きたい。しかしリードしている場面では、100%のスピードを使わずにボールを保持するポゼッションでコントロールしていけばいい。手数をかけずに攻めるのか、ビルドアップして攻めるのかは状況、環境次第で変わる。90分間のプレーコントロールが大事になってくる」

 状況に応じていかに使い分けて戦っていけるかが、発言の真意だ。ニュージーランド戦は日本のボール保持率が高くなるはず。プレーコントロールが試される。(スポーツライター)

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