本田、W杯メンバーへラストチャンス…ハリル監督「つかめ!」

スポーツ報知
ベルギー遠征の日本代表のポジション

◆国際親善試合 日本-マリ(23日、ベルギー、スタッド・モーリス・デュフラン) 日本-ウルグアイ(27日、ベルギー、スタッド・モーリス・デュフラン)

 日本サッカー協会は15日、ベルギーで行われる国際親善試合マリ戦、ウクライナ戦に臨む日本代表メンバー26人を発表した。パチューカのFW本田圭佑(31)が昨年9月のロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦以来の復帰。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は「このチャンスをつかんでほしい」と6月14日開幕のロシアW杯メンバー入りへ“ラストチャンス”となると語った。また、ハリル監督はW杯代表23人を5月31日に発表したい考えを明らかにした。

 代表復帰=W杯メンバー入り確定ではない。ハリルホジッチ監督は、本田に厳しい条件を突きつけた。「ケイスケはもちろん、ずっと追跡している選手だが、このチャンスをつかんでほしい」。指揮官の評価では右FWの位置で久保裕也に次ぐ2番手と、かつてのような絶対的な存在ではない。3大会連続のW杯を狙う本田にとってベルギー遠征は、生き残りをかけた最終テストとなった。

 求められるのは、得点とそれに直結するプレーだ。「守備も大事だが得点を取る、取らせるのがFW。中盤に下りてきて足元にボールをもらうではダメ。相手の背後を狙ってほしい。能力をしっかり発揮してほしい」。パチューカでの本田は中盤に下がる場面も多いが、今季はシーズンが進むにつれてコンディションが上がり、公式戦10得点と活躍。約6か月ぶりとなる代表でも目に見える結果が必要だ。

 メキシコの地では、W杯だけに照準を合わせて汗を流してきた。2月に視察のためパチューカを訪れた日本代表の手倉森誠コーチ(50)は「代表に選ばれたい。だから選ばれるためにやりたい。選ばれたならやりますよ、という感じだった」と並々ならぬ熱意を感じ取った。チームとは別に週2で自主トレを課し、標高2400メートルの高地で持久系と瞬発系の練習を繰り返していたという。すべては代表に復帰し、ロシアの地を踏むためだ。

 昨年10月の親善試合メンバーから外れた本田は、公式ツイッターで「先は長い。じっくり確実に進むよ。亀のように」とつぶやいた。一歩ずつ結果を重ね、再び日の丸を背負う機会を得た。「選手のチョイスも始まっている。役割を完璧に遂行できる選手を選びたい」と語るハリル監督の最終試験で合格点を得られるのか。これまでも多くの重圧をはねのけてきた本田が、サッカー人生を左右する大勝負に挑む。(斎藤 成俊)

 【本田の歩み】

 ▼17年8月22日 メキシコ1部ベラクルス戦で途中出場し、パチューカのデビュー戦でゴールを記録。

 ▼9月5日 消化試合となったアジア最終予選サウジアラビア戦で右FWとして先発。ミス連発で前半で退いた。

 ▼同6日 メディア、サポーターから本田不要論が噴出。ツイッターで「サッカーファンの皆さん、メディアの皆さん、『もう代表に必要ない』とか他にも厳しい声をありがとうございます」とつぶやく。

 ▼同9日 グアダラハラ戦で、パチューカ移籍後初先発。

 ▼10月 親善試合のニュージーランド戦、ハイチ戦の招集メンバーから落選。ハリル監督は「現時点でのコンディションでは代表ではプレーできない」。

 ▼11月 欧州遠征でもメンバー外。

 ▼12月 パチューカの一員としてクラブW杯(UAE)に出場。3位。

 ▼18年1月 メキシコ1部UNAM戦で今年初得点を記録。ここまで4得点5アシストと結果を残す。

 ▼3月15日 日本代表に復帰。

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