ハリル監督「幻想的な夢は抱かないで」“仮想セネガル”マリ戦で守備的W杯モード

スポーツ報知
公式会見に臨んだハリルホジッチ監督は、大勢の報道陣の前で持論を展開した(カメラ・竜田 卓)

 サッカー日本代表は23日、ベルギーでの親善試合でマリ代表と対戦する。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は22日、前日会見で約18分の“独演会”を展開。6月のロシアW杯に向け「幻想的な夢は抱かないで」「日本の選手に合ってないプレーを望むのはやめて」と語った。ボール保持率を高め、優勝を目標に掲げた14年ブラジル大会を暗に否定。改めて現実路線を掲げ、マリ戦でW杯1次リーグ第2戦の相手・セネガルを想定した戦いに挑む。

 ハリル監督の鼻息は荒かった。約18分の会見で受け付けた質問は2つのみ。マリ戦に向けての意気込みより、W杯に向けた持論に重きを置いた。指揮官が声を大きくして語ったのは“脱ザック・ジャパン”だった。まずは目標。「頭の中に偉業を成し遂げようという気概がないといけないが、幻想的な夢は抱かないでほしい。まず1次リーグ突破を目指す」。ブラジルW杯前にFW本田圭佑らが掲げた「優勝」のような大風呂敷は広げなかった。

 戦い方にも言及した。「日本の選手に合ってないプレーを望むのはやめてほしい。過去の話は聞いているしプレーも見てきた」。ボール保持率信仰を暗に否定。「我々が最終予選で見せた戦術を思い出してほしい。守備が良くできていた。攻撃ではこういう素晴らしい攻め方をしようとか、ブラジル、フランス、スペイン、ドイツのように欲張ってはいけない。冷静沈着に」。相手に合わせて守備から入るハリル流を強調した。

 選手にも高い要求を突きつけた。「苦痛、苦労を伴いながらトライしていかないといけない」。フランス代表FWグリズマンがW杯に向けて食事面などに気を使っている記事を例に挙げて「世界有数の選手すら、そういうことをしている。私は日本選手のフィジカルに満足していない。本大会前に体脂肪の話はしたくない」とバッサリ。厳しい管理体制を批判する声に対しては「私が厳しい要求しているのではない。W杯が要求しているんだ」と強い口調で語った。指揮官の流儀は日本を成功に導くのか。答えは3か月後に出る。

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