中島W杯当確弾!後半ロスタイムに押し込んだ史上30人目デビュー戦ゴール

スポーツ報知
試合終了間際、同点ゴールを決めて喜ぶ中島(左後方は本田=カメラ・竜田 卓)

◆サッカー国際親善試合 日本1―1マリ(23日・ベルギー・リエージュ)

 見せ場は最後の最後に待っていた。1点を追う後半ロスタイム3分、MF三竿が右足で上げたクロス。ゴール前で待ち構えていたFW中島が左足を冷静に振り抜き、同点弾を決めた。「代表は小さい頃から見ていた。ゴールできたことはうれしい。楽しかったです」

 後半15分に投入されると「どんどん仕掛けていこうと思った」と積極的なドリブルで停滞気味だった攻撃を活性化。史上30人目の代表デビュー戦ゴールで、負ければ赤っ恥だったハリル監督の救世主になった。指揮官は「唯一のポジティブな要素」と新星の躍動を評価した。

 自ら仕掛ける思い切りの良さを見失い、F東京からJ2富山に期限付き移籍していた14年。当時の安間貴義監督(48)=現F東京U―23監督=から攻撃的なサッカーを展開するポルトガル・リーグの試合映像を見せてもらった。「みんながゴールを狙っていて失点を恐れない。自分に合っている」

 自身で動画を探し、映像を確認。試合前に公園で個人練習を行い、泥のついたスパイクで会場入りするのが“日課”だった練習の虫は、とことん仕掛けるスタイルを思い出し、磨きをかけた。昨夏にはドイツ2部などからもオファーを受けたが、ポルトガルへの移籍にこだわった。約6か月でリーグ戦9得点と結果を残し、滑り込みでW杯メンバー入りのアピールチャンスを得た。

 若手主体で挑んだ10年南アW杯前のイエメン戦を除き、過去のW杯イヤー初戦でゴールを決めた選手は全員がW杯メンバーに選出されているという“吉兆”データもある。「W杯は今日より厳しい戦いになるけど、これからもっと良くなると思う。次はもっと良いプレーができる」。大逆転でのメンバー入りに向け、16年リオ五輪で背番号10をつけたサイドアタッカーのアピールは続く。

 ◆W杯イヤー初戦の得点者 これまで日本はW杯に5度出場。南アフリカ大会の10年をのぞき、他の4大会が行われた年の初戦で得点を決めた選手は、全て本大会のメンバー入りを果たしている。特に06年の初戦・米国戦ではFW巻誠一郎が代表初得点をマーク。勢いに乗り、ドイツ大会のメンバーに滑り込んだ。南ア大会が行われた10年は、初戦のイエメン戦に若手主体の“B代表”で臨んだため、ハットトリックしたFW平山相太は選ばれなかった。

 ◆日本代表のデビュー戦ゴール 日本代表のデビュー戦でのゴールは通算30人目。15年東アジア杯(現東アジアE―1選手権)8月2日の北朝鮮戦(武漢)でMF武藤雄樹(浦和)がマークして以来。Jリーグが発足した1993年以降では10人目となる。

 ◆中島 翔哉(なかじま・しょうや)1994年8月23日、東京・八王子市生まれ。23歳。東京Vの下部組織を経て、2012年9月に2種登録でJ2デビュー。同10月にプロ契約。14年にF東京に完全移籍後、富山へ期限付き移籍。同8月にF東京復帰。17年8月からポルティモネンセに期限付き移籍。16年リオ五輪では日本代表の10番として3試合に出場。164センチ、64キロ。既婚。

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