西野体制「和」で打開 南ア16強以来スタッフ全員日本人

スポーツ報知
日本代表監督に就任し、記者会見する西野朗氏

 西野体制は「オールジャパン」でロシアW杯に臨む。日本サッカー協会は12日、都内で理事会を行い、日本代表に西野朗監督(63)、森保一コーチ(49)=U―21日本代表監督=、下田崇GKコーチ(42)=U―21日本代表GKコーチ=の就任を承認した。新たな技術委員長には12年ロンドン五輪代表監督を務めた関塚隆氏(57)の就任が決まり、全員が日本人のシフトが敷かれた。

 西野監督は「スタッフ編成に関しては、全ては日本人スタッフ、そして今、(世代別の)代表チームに関係しているスタッフでカバーしたいという思いがあった」と説明。岡田武史体制で16強進出した2010年南アフリカW杯に次いで2度目の“純和製布陣”となった。

 ハリル・ジャパン体制から手倉森誠コーチ(50)が残留。東京五輪世代のU―21日本代表を率いる森保氏が新たにコーチに入った。16年リオと20年東京の新旧五輪監督コンビが指名された。「将来的なところも手倉森、森保にこれからの世代を引っ張っていってもらわないといけない」と西野監督。次代のコーチの育成の意味も含んだ人選となった。

 GKコーチには西野監督がアトランタ五輪代表を率いた際にGKとしてメンバーに入っていた下田氏がチョイスされた。また、フィジカルコーチは置かず、コンディショニングコーチとしてこれまでの早川直樹氏に加え、U―19、16代表の同コーチを務める小粥(おがい)智浩氏(44)が入閣。若い指導者にW杯を経験させたいとの狙いもあるという。

 日本代表のバックアップ機関である技術委員会のトップで、西野監督の後任となる技術委員長にはロンドン五輪代表監督の関塚氏が就任。アテネ五輪代表監督の山本昌邦氏(60)も同委員会の作業部会である強化部会長に就いた。現場とそのサポート役は五輪指揮官5人が要職を担い、国際経験豊かなメンバーがズラリと並んだ。W杯まであと約2か月、緊急事態を「オールジャパン」で乗り切る。

 ◆西野朗(にしの・あきら)アラカルト

 ▼生まれ 1955年4月7日、浦和市(現さいたま市)出身。63歳。
 ▼サッカー歴 ポジションは攻撃的なMF。早大時代に日本代表入り。卒業後は日立製作所(現柏)に入団し90年に現役引退。
 ▼指導歴 91年にU―20日本代表監督に就任。94年、28年ぶりに五輪出場を果たしたU―23日本代表監督としてアトランタ五輪でブラジル代表を破る“マイアミの奇跡”を演出。02年から11年までG大阪を指揮し05年にリーグ優勝、08年にACL制覇。J1通算270勝は歴代最多。16年3月から日本協会の技術委員長を務めた。
 ▼趣味 神社仏閣巡りとウォーキング。ジム通いもしており、体形は現役時代と変わらない。
 ▼モテモテ 端正なマスクで、早大時代には女性ファンが多く、西が丘サッカー場はパニックになったとの逸話を持つ。
 ▼おじいちゃん 昨年5月に初孫となる男の子が誕生。携帯に送られてくる写真が楽しみ。

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