本田、香川、岡崎、西野JAPANで復権へ!…脱ハリル流で1次L突破へ

スポーツ報知
就任会見後、笑顔で握手を交わす日本代表の西野新監督(右)と田嶋会長(カメラ・竜田 卓)

 サッカー日本代表の西野朗新監督(63)が12日、都内のJFAハウスで就任会見を行った。バヒド・ハリルホジッチ前監督(65)の解任を受け、残り約2か月に迫ったロシアW杯(6月14日開幕)に挑む指揮官のもとで、前体制ではチャンスの少なかったFW本田圭佑(31)=パチューカ=、MF香川真司(29)=ドルトムント=、FW岡崎慎司(31)=レスター=の“ビッグ3”に逆転メンバー入りの可能性が浮上。W杯に向け攻撃的サッカーで1次リーグ突破を目標とした。

 一つ一つの言葉に決意を込めた。“所信表明”を行った西野新監督は、約50分の会見で表情を崩すことはなかった。「精いっぱいロシアに向けてチームづくりをしていきたいという覚悟です。2年間現場を離れていましたので、まずは指導者として心身を整えたい」。W杯の日本人指揮官は岡田武史氏以来2人目の重責。会見を終えネクタイを緩めるとやっと、いつものダンディーな顔に戻った。

 “ビッグ3”に復権の可能性が出てきた。会見では5月14日に大枠35人のリストを提出し、同31日に23人を発表予定のW杯メンバーについても言及。最も大きい候補リストには100人近い名前があるが核となる選手は絞られている。「できるだけフラットな状況で考えたいが、ベースとなる選手たちは変わらない。現状のコンディションを確認したい。年齢も問わない」。

 ハリル体制では大枠には入っていながら、戦術に合わないなどの理由で本田、香川、岡崎は冷遇されてきたが、実績が重視され、調子次第では西野ジャパンで序列を変えるチャンス。会見ではメキシコリーグの日程についても言及しており、本田を気にしていることは確実だ。

 その上で海外行脚も視野に入れている。目的は現在のパフォーマンス、精神状態などを見極めるため。「個人的に伝えたい部分もある。時間があれば海外組に伝えたい」。“ビッグ3”との海外面談の可能性も浮上した。

 路線は“脱ハリル”だ。前体制のデュエル(1対1)、縦に速い攻撃に対して「日本化したフットボールがある。技術、組織的な部分で結束して戦う」。ハリル氏は選手に戦術を徹底させ、相手に合わせたサッカーが基本だったが「個人のプレーに関しては制限はかけたくない。自クラブでやっているパフォーマンスを評価して選ぶ。攻撃的な戦い方を求めていきたい」。厳しい管理体制ではなく「ある程度逸脱する選手がいても1つの目標に向かっていれば問題ない」と“自由”も与える考えだ。

 W杯まで残り2か月と準備期間は短い。「少なくとも予選を突破する力を見せたい」と目標を語った。「最高の化学反応が起こるチームにしたい」。逆境をチャンスに。前だけを見つめ、西野ジャパンがロシアへの船出を開始した。(斎藤 成俊)

サッカー

×