なでしこジャパン・長谷川唯手記「自分もあそこで優勝したい」…14歳で見た「奇跡」に感動

スポーツ報知

◆サッカー女子 フランスW杯アジア予選兼アジア杯 日本1―1オーストラリア(13日・ヨルダン)

 【アンマン(ヨルダン)14日=小又風花】FIFAランク11位のなでしこジャパンは、1次リーグB組最終戦で同6位のオーストラリアに1―1で引き分けてB組2位で4強入り。8大会連続8度目となる19年フランスW杯の出場を決めた。後半18分に先制ゴールをアシストしたMF長谷川唯(21)=日テレ=が、スポーツ報知に手記を寄せた。

 本当にひと安心。勝ってW杯出場を決めたかったので悔しさが残るけど、本当に良かった。1年後、自分がその舞台に立っていることが大事で、そのための努力を続けていく。これまでのなでしこがあって今があるので、泥臭さ、諦めない気持ちを引き継いでいきたい。

 小さい頃から男子のW杯を見ていて、自分が最初に目指したのもW杯だった。女子が初優勝した2011年ドイツW杯のときは14歳。格上の米国を相手に誰も諦めていなくて、日本も優勝できるんだって感動した。正直、奇跡。自分もあそこの場に立ちたい、優勝したいと思った。

 小1でサッカーを始めて、小5でメニーナ(日テレの下部組織)に入団した。背が一番小さくて、中1でも136センチ、27~28キロ。その頃から練習試合で大学生と戦っていたから、体格の差は人一倍感じていた。相手のスライディングのよけ方は自然と身についた。年代別代表に選ばれてからも海外選手にフィジカルの差は感じたけど、日本人の技術があればやっていけるなという感じで。苦労することはないなと思っていた。

 でも、17年のアルガルベ杯で初めてA代表の試合に出たとき、相手は技術的にもスピードもフィジカルも優れていた。どうやって勝つかを考え始めて、なでしこリーグの試合から、相手より一つ早く動けるように予測するようになった。

 サッカーをやめたいと思ったことは一度もない。練習が楽しくて、嫌なことを忘れられる時間だから。自分の試合はいいシーンばかり見て、悪い試合は1回くらい(笑い)。遊び心がある面白いプレーをしたい。結婚しても、体が動く限りはサッカーをしたい。生まれ変わっても、もう一回サッカーがしたい。

 もっと女子サッカーを盛り上げたい。それには代表で結果を出すことが一番だと思う。なでしこリーグで結果を出しても、現実的に観客数は減る一方。だから、代表として責任を持って戦いたい。もちろんW杯で優勝したいけど、新たに優勝を取りに行くという気持ちで。危機感を持った方が、いい結果につながるんじゃないかと思う。(日本代表MF)

 ◆長谷川 唯(はせがわ・ゆい)1997年1月29日、宮城県生まれ。21歳。2009年に日テレの下部組織に入団。U―16から各年代の日本代表に選出され、14年のU―17W杯で全6試合出場3得点で初優勝に貢献。大会準MVPも受賞した。13年から日テレでプレー。17年のアルガルベ杯でA代表初出場。甘党で特にチョコレートとプリンが好き。リフレッシュは温泉に行くこと。157センチ、48キロ。

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