【ロシアW杯ここに注目】西野ジャパンの命運は“1点目”の行方…先制されると勝ちなし

スポーツ報知
日本代表・西野朗監督

 「ここに注目」第4回のテーマは「先制点」。14年ブラジルW杯閉幕翌日から、今大会出場32チームの約4年間すべての国際Aマッチを独自に集計したところ、1次リーグH組のうち3チームについて驚きのデータが浮かび上がった。「先制すると負けなし」がポーランドとセネガルで、逆に「先制されると勝ちなし」なのが日本。西野ジャパンの命運は“1点目”の行方次第だ。

 過去に優勝経験のない日本、ポーランド、セネガル、コロンビアの4チームが同居したH組。ここ4年のデータから、「先制点」が勝敗の行方を大きく左右していることが分かってきた。

 ブラジル大会終了以降、今大会出場32チームの国際Aマッチを集計(PK戦突入はすべて引き分けとしてカウント)。日本は48試合戦い、28勝10分け10敗(14年9月のベネズエラ戦は没収試合のため、勝利でカウント)。注目はベネズエラ戦を除く47戦のうち、先制された試合。12戦6分け6敗と1度も勝っていない。

 日本にとって歓迎できないデータは、まだある。ポーランドはこの4年で36戦戦い、先制した24戦は18勝6分けで負けなし。24戦中先制点を挙げた選手の内訳を見るとFWレワンドフスキ(バイエルン)の6、次にFWミリク(ナポリ)が5で続く。レワンドフスキは4年間36得点のうち先制点は16・7%だが、4年間8得点のミリクは62・5%。レワンドフスキばかりに目がいきがちだが、ミリクの貢献度の高さが見て取れる。

 セネガルも先制すると29戦27勝2分け。コロンビアは24戦20勝3分け1敗と負けがあるものの、勝率は高い。データ上、先制されると勝てない日本にとって、H組勢は難敵ばかりだ。

 日本は先制された試合の1失点目までの平均時間が33・3分。ポーランドが先制点を決めた平均時間は26・0分、セネガルは24・5分。前半30分付近で日本の“弱点”と、ポーランド、セネガルの“ストロングポイント”がほぼ重なる。

 日本はこの4年間、先制すると34戦27勝3分け4敗とまずまずの成績。とにかく先制点を奪われず、相手より先にゴールネットを揺らすことが、1次リーグ突破のため重要となる。

 最も「先制点」に“敏感”なのがイラン。先制すれば30戦26勝4分けと負けなし。だが先制されると5戦2分け3敗と勝ちなし。勝敗がはっきり分かれる唯一のチームだ。先制すると負けなしのチームは、ポーランド、セネガルを含め5チーム。意外なのは4年前のブラジル大会王者ドイツ。日本とともに、先制されると勝ちなしという4チームに中に入っている。データ上は追いかける展開を苦手としているといえそうだ。

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