19歳堂安&20歳伊藤がW杯候補 西野ジャパン“秘密兵器”

スポーツ報知
伊藤達哉と堂安律の今季成績

 ロシアW杯に臨む日本代表メンバーの候補にFW堂安律(19)=フローニンゲン=とMF伊藤達哉(20)=ハンブルガーSV=が入っていることが26日、分かった。西野朗監督(63)はバヒド・ハリルホジッチ前監督(65)の体制では未招集の選手にも注目し、森保一コーチ(49)が指揮するU―21日本代表の主力を候補に加えた。東京五輪世代が西野ジャパンの“秘密兵器”になる可能性が浮上した。

 日本サッカーの未来を担う若武者がロシアW杯メンバーに大抜てきされる可能性が浮上した。5月14日の35人の予備登録期限に向け、選手を絞り込む作業が行われている中、FW堂安とMF伊藤の東京五輪世代コンビが候補に入ったことが判明した。

 G大阪の下部組織で育った堂安は16歳11か月18日でのクラブ最年少でリーグ戦デビューを飾るなどし、昨年6月にオランダ1部・フローニンゲンに期限付き移籍。左足からの強烈なシュートと積極果敢なドリブルで定位置を確保すると、15日のローダ戦では今季8点目を奪った。活躍を高く評価したクラブ側は25日に完全移籍で獲得。現地紙「テレグラフ」が強豪マンチェスターCからのオファーを断ったと報じるなど評価は急上昇中だ。

 一方、柏の下部組織出身の伊藤はJリーグを経由せずドイツに渡り、昨年9月にデビュー。U―21日本代表の森保監督は強気にドリブルを仕掛けるプレースタイルを高く評価し、3月の同代表のパラグアイ遠征で初招集。「目の前に相手がいても突破してチャンスにつなげていくところに期待している。本当に貪欲な選手」と話していた。

 日本協会関係者は「日本の将来を考えるとロシアには若い選手を連れていくことが必要」と語り、協会内でも堂安と伊藤を推す声があるという。27日に出発する西野監督の欧州視察先には入っていないが、継続的に情報収集しており、今後のパフォーマンスを見極める。98年フランス大会では当時18歳のMF小野伸二が抜てきされた。その後、海外移籍やW杯3大会連続出場を果たし日本代表の主力に定着した経緯もあるだけに、早い時期に世界を知ることのメリットは計り知れない。最終メンバー23人の発表は5月31日。20年東京五輪、22年W杯カタール大会を見据えた選考となるのか注目される。

 ◆2人の日本代表のライバル 所属クラブで堂安は右FW、伊藤は左FWで起用されることが多いが、いずれもポジション争いの最激戦区といえる。左FWにはレギュラー格の原口を筆頭に乾、中島、宇佐美ら。右FWには久保、本田、浅野、小林らが候補。西野ジャパンではハリル体制からシステムが変更される可能性もあるが、岡崎が左右FWに入ることも予想され、しれつを極めるのは間違いなさそうだ。

 ◆堂安 律(どうあん・りつ)1998年6月16日、兵庫・尼崎市生まれ。19歳。G大阪ユース時代の2015年からトップチームに帯同し、同5月27日のACL、FCソウル戦でクラブ史上2番目に若い16歳11か月11日で公式戦デビュー。同6月3日の鹿島戦ではクラブ史上最年少でのリーグ戦デビュー。17年6月にフローニンゲンに期限付き移籍し、今年4月に完全移籍。J1通算15試合3得点。172センチ、70キロ。

 ◆伊藤 達哉(いとう・たつや)1997年6月26日、東京都生まれ。20歳。小学生時代から柏の下部組織で育ち、Jリーグを経由せずに、2015年7月にドイツ1部・ハンブルガーSVと契約。U―19からスタートし、17年9月にはトップチームデビューを果たした。168センチ、59キロ。

サッカー

×