マガト氏、鳥栖との交渉決裂は「主将・藤田ら移籍」フロントの主力放出に構想崩れる

2016年1月2日19時40分  スポーツ報知

 J1鳥栖の来季監督就任に基本合意しながらも急転、日本行きを断ったドイツの名将フェリックス・マガト氏(62)が1日(日本時間2日)、現地で本紙の電話インタビューに応じた。土壇場での交渉決裂の理由について、鳥栖フロントが主力選手を放出したことを挙げた。(聞き手・ファフ健二)

 ドイツ1部リーグ優勝3度の名将マガト氏。昨秋に鳥栖からオファーを受けた後、来日までして監督就任に基本合意したが、年末に急転決裂。何があったのか。

 「とても難しい決断だった。私は鳥栖で働きたかった。かつて日本人選手を指導し、ドイツ人のメンタリティーとうまく融合できると分かっていた。初めて鳥栖のクラブ幹部と会った時の印象は良かった。昨季リーグ11位から、今季は広島、G大阪、浦和など上位5強に挑戦できるレベルに上げたかった。だが、主将の藤田の移籍で、私にとって鳥栖で働く意味がなくなった」

 鳥栖が12月29日に主将のMF藤田直之(28)の神戸移籍を発表。他にもMF水沼宏太(25)がF東京移籍秒読みで、マガト氏の来季構想が崩れたという。

 「藤田は主力というだけでなく主将だった。鳥栖は主将を神戸に売った。他選手も鳥栖から他クラブへ移籍するので、一緒に考えた目標が見えなくなった。私は魔法使いではない。チームの骨組みがなければ、大きなチームとは戦えない。私はJリーグのエキスパートではないし、日本のサッカー事情も知らない。現状では、話し合った目標を達成する事は不可能だと判断した。せっかくドイツから日本に行くのに、10位になるためには働きたくない」

 地方クラブの鳥栖が、年俸数億円のマガト氏にオファーした時点で、J関係者の間に衝撃が走った。条件面での亀裂はなかったのか。

 「鳥栖は小さいクラブなので、金銭面の話は最初から全然変わらかった。お金の問題ではない。私のサラリーとは全然関係ない話だ」

 鳥栖と決裂したことで依然フリーのマガト氏。2016年はどうすごすのか。

 「今はオファーはないが、今後どこかのクラブからオファーが届けば、話は聞く。私は時々オファーをもらうが、いつも自分にとって興味のある仕事をしたいと思っている。海外でも、その条件に合った仕事があればしたいと思う」

 幻と消えた来季のマガト鳥栖。世界中で知られる名将をめぐって早速、他クラブが動き出すかもしれない。

 ◆フェリックス・マガト 1953年7月26日、ドイツ出身。62歳。西ドイツ代表MFで82、86年W杯準優勝。現役引退後、92年からドイツ1部の監督を歴任。軍隊式の猛練習で知られ2004年度、05年度バイエルン、08年度ヴォルフスブルクでリーグ優勝。シャルケ04で日本代表DF内田、ヴォルフスブルクで同MF長谷部やFW大久保を登用。13~14年度途中からプレミアリーグのフラムを指揮したが降格し、14年度途中に解任。現在はフリー。

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