【鹿島】SNSを積極活用、寡黙なチームカラーから脱却を目指す

2016年1月23日10時30分  スポーツ報知

 鹿島がサポーター拡大へ“寡黙”なチームカラーからの脱却を目指している。昨年2月、クラブ公式SNS(ソーシャルネットワークサービス)としてツイッター(短文投稿サイト)とフェイスブックを導入。マスコットキャラクターを使った寸劇や、選手のオフショットなどを掲載し、1年で合計10万人を超える「フォロワー」「友達」獲得に成功した。91年のクラブ創設から25年、硬派を地でいくクラブの決断を掘り下げる。(内田 知宏)

 公式ツイッターが、ランチタイムに合わせてつぶやいた。「お疲れさまです。土居選手を見て癒やされてください」。そこには屈託のない笑顔を浮かべるMF土居聖真の写真が添付されている。朝のフェイスブックをのぞいてみると、マスコットのしかお(父)、しかこ(母)、アントン(子)のぬいぐるみを用いて「誰が宮崎キャンプに連れて行ってもらえるか」というテーマでコントが繰り広げられていた。

 「サッカーの神様」ジーコの影響を強く受けるクラブは創設から25年間「硬派」「実直」をチームカラーにしてきた。有料モバイルサイトを除き、クラブから発信されるのは移籍やイベントの告知だけ。過去には選手のバラエティー番組出演やメディアでの競馬予想を禁止した時期もあった。しかし昨年2月にSNSを導入すると、選手の素顔や笑いの発信を続け、イメージを覆す戦略に打って出た。

 メディア部門を担当する春日洋平氏は経緯を明かす。「鹿島は伝統、誇りを大事にしています。勝ってナンボ。勝つことでお客さんが来てくれる。今もその考えは同じですが、それを我々が前面に押し出すと、逆に新規のお客さんが入りにくい空気になっているのではないか、と。その思いは自分たちの中にしまって、お客さんが近寄りやすく誇りに感じられるクラブを目指そう、と考えました」

 SNS導入から1年、ツイッターのフォロワーは8万人、フェイスブックでの「いいね」登録は2万人を突破。公式ホームページのクリック数は前年比131%増、ホームページを訪れた人は同123%増となった。バルセロナ(スペイン)の8000万人には及ばないが、当面は2つ合わせて「100万人」を目標に掲げていく考えだ。

 ホームのカシマスタジアムの半径30キロ圏内人口はわずか78万人(浦和は1700万人、F東京は2207万人)。その“ハンデ”の中で一度もJ2に降格することなく、J最多となる17個のタイトルを獲得したことは「奇跡」と言われている。鈴木秀樹取締役は「田舎のクラブなので何度優勝しても危機感が消えることはない。我々は前に進むことでしか、攻めることでしか生き残れない」と明かす。

 ピッチでは実直に、ピッチを離れれば普通の人間であることを発信する。変わらない鹿島と、変わりゆく鹿島。そこには田舎クラブの自覚と意地がある。

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