【二宮寿朗の週刊文蹴】村田プレスがハリル日本のお手本!?

2017年5月19日12時0分  スポーツ報知
  • WBA世界ミドル級王座決定戦で対戦する村田諒太(左)とアッサン・エンダム(右)は互いにベルトを持ってポーズを決める

 ボクシング2012年ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太が20日、世界に初挑戦する。

 最終調整に入っている彼を帝拳ジムで取材した。持ち味といえば「堅いガード」「強烈な右」「ハードプレス」の3つ。フットワークを駆使するエンダムを想定して、ジリジリと迫る「追い詰め方」を確認していた。生命線は、やはりプレスである。

 帝拳ジムの本田明彦会長は、こう言った。

 「(プレスというのは)相手が怖がらないと意味がない。パンチが来るぞと思わせないと。圧力がかかったところで、さらに圧力をかける必要がある。プレスはうまいへたじゃない。要は気持ちだから。村田には、それがある」

 サッカーにおいても、道理は同じである。

 つまり、相手が怖がらないプレスなど、意味を持たないということ。

 ハリルホジッチ監督が決闘を意味する「デュエル」を持ち出して球際に激しさを求めたのも、怖がらせ方が足りないと感じたからにほかならない。

 指揮官が語ってくれたことがある。

 「日本のサッカーはナイーブ。たとえば、相手に反則スレスレのところをやられているのに、日本人はやらない、やり返さない。ポンと押されて、まともにそれを受けて倒れてしまう。やられたほうが謝っているというおかしな光景を目にしたこともある。これじゃ戦いに勝てるわけがない。日本はサムライスピリットがあるはずなのに、ここが明らかに足りていないと感じる」

 プレスをかけ、相手に恐怖心を与えてひるませておいて、個で、組織でボールを奪い取る。しかし、かわされてしまったら命取り。やるかやられるかの世界では、怖がったほうが負けになるということだろうか。

 村田のプレスが、世界を制す―。ボクシングファンのみならず、サッカーファンにも、王座奪取に燃える村田の「デュエル」をぜひ見てもらいたい。(スポーツライター)

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