【浦和】10年ぶりアジア王者! 2度目栄冠生んだ敵情視察、食と時差サポート

2017年11月26日6時0分  スポーツ報知
  • 優勝を決め、トロフィーを掲げて歓喜の表情を見せる浦和イレブン

 ◆アジア・チャンピオンズリーグ ▽決勝第2戦 浦和1―0アルヒラル ※2戦合計2-1で浦和が優勝(25日・埼玉スタジアム)

 浦和はホームでアルヒラルを1―0で下し、2戦合計2―1で10年ぶり2度目の優勝を果たした。0―0の後半43分、MFラファエル・シルバ(25)が決勝点を挙げた。日本勢として08年のG大阪以来9年ぶり3度目となるアジア約2万クラブの頂点に立ち、2度目の優勝は4クラブ目。MVPにはMF柏木陽介(29)が選ばれた。浦和は賞金300万ドル(約3億3000万円)を獲得し、12月6日(日本時間7日)にUAEで開幕するFIFAクラブW杯にアジア代表として出場する。

 主将の阿部が雄たけびを上げ、高々と優勝トロフィーを掲げた。興梠が、槙野が、表彰台から転げ落ちんばかりにはしゃいだ。「WE ARE REDS!」。5万7727人の浦和サポーターは歌い続けた。ホーム7試合全勝。2度の制覇はアルイテハド(サウジアラビア)、広州恒大(中国)、全北現代(韓国)に続く4クラブ目だ。

 堀孝史監督(50)は「今日も素晴らしい雰囲気を作って我々を後押ししてくれたファン、サポーターに感謝したい」と礼を言った。決勝トーナメントは4試合全て第2戦がホームだった。第1戦のアウェー戦でいい流れを作るため、クラブの総力を注ぎ込んだ。

 昨年度の営業収入は約66億円。初優勝した07年度(約80億円)には及ばないがJリーグではトップだ。敵地での第1戦は負傷していたFW李を除く全選手を連れてUAEで直前合宿を張り、サウジからの復路はチャーター機を使用。関係者によると4000万円近い支出だった。これまで通り、アウェーは日本代表の西芳照シェフを帯同。山道守彦強化本部長は「環境を整えるのと、選手への『勝ちに行くんだ』というメッセージ」と説明する。

 プライベートジェット機で来日したアルヒラル、フッキらブラジル人3人の総年俸が80億円を超える上海上港に資金力では勝てない。10月17日、山田栄一郎分析コーチはアルヒラル―ペルセポリス戦の一般チケットを買い、スタンドから視察した。「お前は日本人か、中国人か?」と詰め寄られてもノートにペンを走らせた。ペトロヴィッチ前監督は「自分たちのサッカー」を突き詰め、堀監督はその土台に相手対策を加味した。

 関芳衛ドクターは時差の専門家6人を取材した。日本とサウジの時差は6時間。第1戦から19日午後11時30分に帰国したが、そのままホテルに入り、翌日の午前中は太陽を浴びないよう室内で過ごした。2試合とも試合開始は午後7時台。最も高いパフォーマンスを発揮できると言われる午後5時に体内時計を合わせる調整だった。6度目のアジア挑戦は経験と知恵が生きた。

 指揮官は第1戦から布陣を変更し、4―4―2で臨んだ。主導権を握る時間が増えた一方、波状攻撃も受けた。興梠が最終ラインまで戻ってクリアするなど全員で守り、カウンターの1点につなげて1年2か月も無敗だったサウジの雄を倒した。来年大会の出場権はないが、日本勢で初めて2度アジアを制した経験は、日本サッカー界の大きな財産になった。(羽田 智之)

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