【甲府】吉田達磨監督インタビュー「1年でJ1復帰」宣言

スポーツ報知
色紙に「J1復帰!」と記した甲府・吉田監督

 ヴァンフォーレ甲府が11日の全体練習から始動する。J2(2月25日開幕)に降格して迎える2018年シーズン。就任2年目の吉田達磨監督(43)が7日までにスポーツ報知のインタビューに答え、J1経験クラブも多い中、自動昇格となる2位以内に入り、1年でのJ1復帰を宣言した。(聞き手・古川 浩司)

昨季7勝止まりだが全て素晴らしかった ―就任2年目を迎えます。昨年を振り返ると?

 「とにかくJ1にしがみつかなきゃと思っていたが、結局、もっと、しがみつかなきゃいけなかったんだろうなというのはある。でも、次に進まないといけない」

 ―1年間選手たちを見てきて、どんなことを感じましたか?

 「7勝(11引き分け16敗)しかできなかったけれど、7勝とも全て素晴らしいというか、彼らの努力、思いを見せられた7勝だったと思う。一つ一つの試合を行っていくごとに高まっていく結束は、強く感じた」

 ―昨年はチームを進化させながらも結果を残さないといけない難しさがあったと思います。

 「今いる選手たちで、最大値(の力)を出すことを一番に考えるのは、どこのチームも同じ。僕も、そこはブレていない。勝つために、一番いいメンバーを選んだし、競争させてやってきた。でも、進化もしなくてはいけない。相手の良さを消す(ことを最優先にする)のではなく、自分たちから仕掛けることで、相手の良さも消える。そういう戦いを目指した。そこについては、選手はよくやったと思う」

 ―今年は、その基盤ができている状態でスタートできます。

 「ベースを持って、最初からできることは、とても大きい。もちろん、メンバーは何人か入れ替わる。退団したメンバーのためにもやらなければいけない。一緒にチームを作ってきたけれど、(契約満了などで)いられなくなった選手たちや、ステップアップとして次のチームに行く選手たちが、甲府で2017年に築いたこと、やったことが正しかったと思える2018年のスタートにしなければいけない」

 ―方針として変わらないものは?

 「トレーニングしたことはウソつかない。トレーニングは徹底的にやる。今いる選手たちが、一つのものに向かってサッカーができるようにはしなくてはいけない」

 ―甲府としては2012年以来のJ2になります。リーグのイメージは?

 「経営規模でJ1レベルのクラブもいくつもある。甲府が、クラブの経営規模的にJ2のナンバーワンかというとそうではない。J1に入るためのプレーオフがあることで、力のあるチームがいつも昇格するとは限らない。とても厳しいリーグになっていると思う。僕はJ2の試合もかなり見るが、組織的なチームも多いし、選手たちのクオリティーが高くなっていることは間違いない」

 ―自動昇格のほか、今季はJ1参入のプレーオフのシステムが変わります。J2・3位から6位がトーナメントを行い、勝ち上がったチームが、J1の16位と対戦。2019年にJ1で戦うチームが決まります。

 「さらに狭き門になる。(J2から)3チーム、もしくは2チームしか上がれないことは事実。そこは分かっているうえで、とにかく一戦一戦全力を尽くしてやっていくしかない」

 ―昇格へのライバルは?

 「一緒に降格した大宮、新潟。昇格プレーオフで敗れた、福岡、東京V、千葉。徳島、松本、山形なども、しっかりとした実績がある。今回、長崎が(初めて)J1に上がったことで、さらに、チャンスがあるぞという空気にもなる。どこがライバルということでなく、僕たちもその中の1チームになるだけ。違いを見せようとかそういうことではなくて、着実に戦わないといけない」

 ―1年でのJ1復帰については?

 「(2位以内の)自動昇格を目指すチームだと思うし、目指さないといけない。(降格したことで)負け犬みたくなっているが、顔を上げて立ち上がらないといけないし、継続するだけでなく、何かを獲得しようとしなければ、魅力的なチームにならない」

 ◆吉田 達磨(よしだ・たつま)1974年6月9日、埼玉県生まれ。43歳。千葉・東海大浦安高から柏に入団。現役時代はMF。京都、山形、ジュロン(シンガポール)にも所属した。J1通算11試合1得点、J2通算94試合7得点。引退後は2003年から柏の下部組織でコーチ、監督などを歴任。15年は柏のトップチームを指揮。16年は9月まで当時J1だった新潟の監督を務め、昨季、甲府の監督に就任した。

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