【高校サッカー】前橋育英、田部井ツインズ雪辱Vだ

スポーツ報知
双子で弟の前橋育英・田部井涼主将(左)と兄・悠は、決勝会場の埼玉スタジアムを背に利き足でシュートのポーズ(カメラ・竜田 卓)

◆全国高校サッカー選手権大会 ▽決勝 前橋育英―流通経大柏(8日・埼玉スタジアム)

 決勝は初優勝を狙う前橋育英(群馬)と2度目の頂点に挑む流通経大柏(千葉)が激突する。前橋育英は7日、埼玉県内で最終調整。双子のMF田部井悠、涼(ともに3年)は、1989年度大会に前橋商で4強入りした父・普(すすむ)さんが果たせなかった全国制覇を誓った。流通経大柏は千葉県内で練習を行い、U―17日本代表DF関川郁万(2年)が、史上4校目の無失点Vと同7度目となる高校総体との2冠に闘志を見せた。

 田部井ツインズが前橋育英を初の日本一へ導く。兄・悠と弟・涼は普段からほとんどけんかをしない仲良し。好きな食べ物は「すし」、嫌いな食べ物は「パプリカ」と口をそろえた。だが青森山田に0―5で大敗し準優勝に終わった前回大会後は、同部屋にもかかわらず悔しさから1週間ほど口数が減った。新チームになり涼が主将、悠が副主将に就任。試合や練習の帰り道で毎回反省を言い合い、全体ミーティングで話すなどしてチームを先導してきた。

 昨年の決勝にはともに出場したが、悠は先発して後半8分まで、涼は後半29分からの出場で同時にピッチには立てなかった。今回はそろって先発が濃厚。悠が「人としてもプレーも一番理解してくれる存在」と言えば、涼も「自分たちにしか分からない感覚もある。一緒に出れば心強い」と応えた。試合中のパスワークには絶対的な自信がある。

 涼は3回戦の富山第一戦で右膝上を打撲し、準々決勝と準決勝を欠場。だが7日の練習では順調な回復ぶりを見せ、何本もゴールを決めた。「何も不自由なく練習できた。万全です」

 父の普さんは28年前の89年度大会で前橋商のレギュラーとして4強入り。当時の映像を見て、同じ舞台に立つことを目標にしてきた涼は「昨年の悔しさと、父もできなかったことを果たしたいという2つの気持ち。絶対日本一になって、監督を胴上げしたい」と誓った。2人は卒業後、別々の大学へ進学予定。ともに戦う最後の一戦で、最高のコンビネーションを見せる。(小又 風花)

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