【高校サッカー】前橋育英、2年生の榎本がロスタイム劇弾「やっと監督を日本一の男にできた」

スポーツ報知
後半終了間際、前橋育英・榎本(左)が決勝ゴールを決め応援団の元に向かう(右から渡辺、宮崎)

◆全国高校サッカー選手権大会 ▽決勝 前橋育英1―0流通経大柏(8日・埼玉スタジアム)

 3度目の決勝となった前橋育英(群馬)が流通経大柏(千葉)を1―0で下し、全国4093校の頂点に立った。0―0で迎えた後半ロスタイムにFW榎本樹(2年)が値千金の決勝弾。前回の決勝で青森山田(青森)に0―5で敗れた雪辱を果たし、今年度から校長を兼務する山田耕介監督(58)の下、群馬県勢で初Vを成し遂げた。

 歓喜の決勝弾を決めたFW榎本は、一目散に黄色く染まったスタンドへ駆け寄った。「出られなかった3年生と喜びを分かち合いたかった」。0―5で敗れた前回の決勝・青森山田戦ではスタンドで声をからした。「あの借りを返すためにやってきた」と2年生で唯一スタメン入りし、大仕事を成し遂げた。

 入学直後に腰椎分離症を発症。約3か月間運動ができず、裏方に徹した。腰にコルセットを巻き、父・敬さん(53)からもらった日本代表DF長友佑都の著書を参考に、体幹を鍛えた。昨夏の高校総体直前には寝坊で練習を遅刻。約1週間自主的に草むしりを行った。「私生活でもダメダメだったけど、やっと監督を日本一の男にすることができた」。次の目標は「もちろん連覇」と、自信に満ちた口調で言い切った。

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