【仙台】渡辺監督、被災地に誓う「魂込めて戦う」

スポーツ報知
慰霊塔へ献花する渡辺監督(左)、奥埜

 J1ベガルタ仙台が9日、新シーズンの始動日を迎えた。ミーティング後に、東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台市若林区の慰霊塔と荒浜小を選手、スタッフら約50人で訪問。渡辺晋監督(44)は「希望の光、復興のシンボルを示すためには魂を込めて戦う、勝利に報いるということが一番だと思います」とサッカーを通じ、被災地に喜びを届けることを誓った。

 荒浜地区は津波で190人以上が犠牲になった。住宅街だった場所には家の土台が今も震災の傷痕として残っている。渡辺監督、MF奥埜博亮(28)らが地区を襲った津波とほぼ同じ9メートルの高さの「荒浜祈りの塔」に献花した。仙台大時代に震災を経験した奥埜は「こういう場所に来て、より今の現状を感じることができる。サッカーを通して何かできることがあると思う」と神妙な表情で風景を見つめた。

 献花後は、津波に襲われた荒浜小を訪れ、校舎内を見学。破壊された教室や被災した人々が避難した屋上などを見て回った。渡辺監督は「この地域で何が起こったかを知って感じて、それをプレーにぶつけることが必要だと思う。より多くの勝利を届けたい」と表情を引き締めた。(小林 泰斗)

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