【札幌】ペトロ監督、スタートダッシュへ古巣討ち!広島と開幕戦

スポーツ報知
練習後、選手をハグで迎え入れるペトロヴィッチ監督(中央)

 J1北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が、古巣討ちでスタートダッシュを図る。チームは12日、札幌・宮の沢で今季初練習。2月24日の開幕戦の相手が06年から5年半指揮した広島に決まり、新天地で第一歩を踏み出した指揮官は始動後に行われた就任会見で必勝を期した。

 1年目から最良の結果を残すため、ペトロヴィッチ監督が広島討ちを宣言した。06年6月から日本で初めて指揮を執った、古巣に挑む開幕戦。「教えた選手も残っているし、再び会えるのは楽しみ」と明かしたが、すぐに表情を引き締めた。「今の私は札幌の監督。思い入れはあるが、強い気持ちで戦って勝利したい」と声を大にした。

 開幕戦勝利が成功への不可欠要素と考えている。就任1年目。当然、昨季までとチーム作りは変わる。それだけに「勝てば、選手も大きな自信を得て、いい影響につながる」。選手が自身のサッカーに共鳴し、方向性の正しさを確信するには最初が肝心。「いいスタートという意味では重要な試合。勝利に向けてしっかりと取り組んで行きたい」と開幕白星に集中していく姿勢を示した。

 ミーティングで今季のスタートを切った。「誰がベストかじゃない。一番大事なのはチーム」。「失敗した時は人のせいにするな。自分がもっと何を出来たか考えるんだ」。冷静だった口調がどんどん熱を帯びた。30分間で選手たちに自身の哲学を伝えた。

 練習中は笑顔を絶やさなかった。ランニングする選手に右手を差し出してタッチを求め、合間には肩を組んで「調子はどうだ」と声を掛けた。チームを「ファミリー」と呼ぶ。コミュニケーションを欠かさない指揮官は「選手はロボットじゃなく、人間。尊重し助け合うことが、一つにまとまるために大切」と強調した。硬軟織り交ぜながら、強い組織を築いていく。

 J1最高タイとなる11位で終えた昨季の札幌。ペトロヴィッチ監督は今季の目標に、こう答えた。「昨年より勝ち点を取り、よりよいサッカーを見せられなければ、私が引き継いだ意味はない」。札幌の歴史を変えるため、その期待に恥じぬ成績を残すことしか頭にない。(砂田 秀人)

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