【甲府】吉田監督、容赦なしサバイバル「競争に勝ちにいけない選手はいなくなる」

スポーツ報知
ボールをキープする金園英学

 J2ヴァンフォーレ甲府の吉田達磨監督(43)が19日、サバイバルを予告した。静岡市内で1次合宿中の甲府は20日に今季初の対外試合となる清水桜が丘高戦(練習試合、30分×4本予定)に臨む。待望の実戦を前にして、指揮官は「競争に勝ちにいけない選手はいなくなる」と2月25日のJ2開幕へ、ここから生き残りをかけた厳しいレースになると宣言した。

J1復帰へ第一歩 寒空のもとだったが、チームの雰囲気は熱を帯びていた。今季初の対外試合を翌日に控え、ミニコートでの11対11や10対10のゲーム形式の練習を中心に汗を流した。高校生が相手だが、6年ぶりのJ2での戦い、1年でのJ1復帰に向け、一歩目を踏み出す大切な練習試合だ。

 吉田監督は「基本(出られる選手は)みんなやらせたい」とした上で、「フルピッチでユニホームを着て試合をするのは(今季)初めてだから大事にしたい。質のいいプレーをしてほしい」と思いを明かした。

 さらに「これだけの人数がいるから、出られなかったり、メンバーにも入れない選手が多い」と状況を説明。公式戦は先発11人はもちろん、ベンチには18人しか入れない。現在の選手数は31人。半分近くがベンチにもいられないことになる。指揮官は「競争に勝ちにいけない選手は(メンバーに)いなくなる」と、厳しいサバイバル合戦になることを予告した。

 選手たちも十分に理解している。“ミスター・ヴァンフォーレ”と呼ばれた石原克哉氏(39)の背番号7を受け継いだMF堀米勇輝(25)は「もちろん、いいスタートを切りたい」と闘志を燃やした。

 今季からJ1に昇格する湘南からFWジネイ(34)が加入することが決定。前線の競争も激化するが、J1札幌から期限付きで加入した元日本代表FW金園英学(29)は「この世界に身を置いている以上、存在するもの。競争無くして成長はない」と歓迎した。切磋琢磨(せっさたくま)してタフなチームに仕上げていく。(三須 慶太)

 甲府は17日、今季からJ1に昇格した湘南のブラジル人FWジネイ(34)を完全移籍で獲得したと発表した。また同日、昨季まで10番を背負ったブラジル人FWドゥドゥ(27)がJ2の福岡へ期限付き移籍することも発表された。

 ジネイは昨季J2を制した湘南でチームトップの12得点を挙げ、1年でのJ1復帰に貢献。186センチの長身で、ポストプレーなどに定評があるストライカーだ。クラブを通じ、「ファン・サポーター、選手、クラブ関係者、山梨県民の皆様と一緒に戦い、J1復帰しましょう」などとコメントした。24日に練習合流する予定だ。

 吉田監督は「ドゥドゥは人間的に素晴らしい選手。彼に対する思いもある」と感謝しつつ、「ジネイは申し分のない実績がある」と新戦力に期待を寄せた。

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