【鹿島】内田篤人、ズバリ戦術眼!練習試合で初アシスト

スポーツ報知
練習試合の徳島戦で復帰後初アシストを決める内田

◆練習試合 鹿島1―1徳島(27日・宮崎県総合運動公園陸上競技場)

 鹿島は27日、宮崎県総合運動公園陸上競技場でJ2徳島と練習試合(45分ハーフ)を行い、1―1で引き分けた。ドイツ2部ウニオン・ベルリンから復帰したDF内田篤人(29)が初アシストを決めた。前半34分、試合前に助言したMF田中稔也(20)がヘディングでゴール。さらに、試合後には苦戦した試合内容の改善点を次々に指摘するなど勝利へ導くための「戦術眼」を披露。V奪還を目指す鹿島にとって、大きな力となりそうだ。

 ピンポイントクロスだった。徳島に1点を先行され、押し込まれる時間帯が続いた前半34分。DF内田が右サイドでボールを受けると、ニアサイドに飛び込んだMF田中の頭に合わせた。「(田中が)良いところに入ってくれた。Jに帰ってきたからには数字、結果で見てほしい。数字が出て良かった」。対外試合2試合目での鹿島復帰後初アシストを前向きにとらえた。

 真骨頂は試合後だった。J2徳島相手に、ボールを奪えず苦戦した。3トップの徳島に対し、鹿島はセンターバック(CB)が1人余り、守備に関わる機会が少ない。内田は「後ろ(CB)が(守備で前へと)押し出してくれたら、カチカチはまった」と指摘。攻撃も「日本人はゴール前に入る回数が少ない。もっと入ってこないと」と注文した。45分の出場で改善点をよどみなく並べ立てた。

 ブラジルW杯で、ボールを持って攻める「自分たちのサッカー」で世界一を目指したザック・ジャパン。内田は1年以上も前から「このままなら危ない」と警鐘を鳴らしていた。結果的に年下のサイドバックの意見は通らず、1分け2敗で1次リーグ敗退。「良いサッカー」ではなく「勝つ判断」で見る目は、常に問題点と改善点を同時に導き出す。これこそが内田最大の持ち味だ。

 ブラジルW杯後は、チームを変えられる存在を目標に据えた。右膝の手術で頓挫しかけたが、この鹿島復帰を契機に「内田の目」が動き出す。「体も動くようになってきた。ボールも足につくようになってきた」。復活へ乗り越えるハードルはまだあるが、昨季得失点差でリーグ連覇を逃した鹿島にとっては間違いなく、また選手から思考を奪うハリル・ジャパンにとっても貴重な存在になるかもしれない。(内田 知宏)

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