【金沢】“マスコット劇場”で集客力UPへ Jクラブでは異例の試みで仕掛ける

スポーツ報知
ゲンゾイヤー(左)、ヤサガラス(中)、ナンシーによる金沢の“マスコット劇場”(ツエーゲン金沢提供)

 J2ツエーゲン金沢の“マスコット劇場”が注目を集めている。昨季、クラブ公式マスコットの「ゲンゾー」が、特撮ヒーロー風の「ゲンゾイヤー」に変身。スタジアムで悪の宿敵「ヤサガラス」と死闘を繰り広げた。今季も更なる展開が期待される中、Jリーグクラブとしては異例の試みについて、クラブの思いを聞いた。(取材・構成 古川 浩司)

 ゼロックススーパー杯(10日)に合わせて発表された今年のJリーグマスコット総選挙では、ゲンゾイヤーが初参戦。17位(51マスコット中)と金沢史上最高順位を記録した。しかし、クラブの事業企画部・中山大輔氏(36)は、「もっと上にいきたかった」と残念がった。

 昨季、ホーム・石川西部で、本格的な“ヒーローショー”が始まった。「ほかのJクラブで見たことがないのがいいと思っていた」と中山氏。「日曜日の朝、テレビでやっているようなイメージ」(中山氏)という映像も駆使し、幅広い世代が楽しめるものとなった。

 また、金沢に絶望を与える存在の宿敵・ヤサガラスは他サポーターを含め、人気が上昇中だ。アウェー寄りの姿勢を見せ、“話せる”マスコットとしても存在感を発揮。「愚か者め」と積極的に絡むツイッターのフォロワー数は3000を突破。J関係者からも「ファンです」と言われるなど、勢いは増すばかりだ。

 中山氏によると、「これ(ヒーローショー)がきっかけでスポンサーになっていただいた企業もある」という。「チャンピオンカレー」ともコラボするなど活躍はサッカーにとどまらない。MF杉浦恭平(29)が、「ウチの子どもも好き」と話すなど、選手たちからも好評だ。さらに、マスコットたちのぬいぐるみの発売も予定されるなど、今後も様々な展開を考えているという。

 集客増へ「こういう入り口があってもいいと思う。スタジアムに足を運んでもらえれば、サッカーも好きになる人も増えると思うので」と中山氏。金沢が作り出すエンターテインメント空間が今季も広がっていき、ツエーゲンの戦いを側面から盛り上げていく。

 ◆宿敵ヤサガラス一問一答

 ツエーゲン愛が目覚めるも、昨季最終戦(石川西部)で悪の組織に狙撃され命を落としたヤサガラス。しかし、1月20日の出陣式で、同組織に悪の心を植え付けられる形で蘇生された。クラブ事務所では、さっそく西川圭史GMの席でふんぞり返るなど、今季も金沢にとっては、“強敵”となる。

 ―今のお気持ちは?

「俺様は地獄の淵(ふち)からよみがえった。今まで以上に、悪のチカラがみなぎっている。ゲンゾイヤーなど俺様の足元にも及ばない! フハハハハハハ」

 ―今季のツエーゲンはどうですか?

 「俺様には関係ない! 絶望にゆがむやつらの表情を見るのが今から楽しみだ! ただし、ヤンツー(柳下正明監督の愛称)だけは相変わらず怖いぜ…」

 ―今年の意気込みは?

「今年こそ石川県を漆黒の闇に染めてやる! まずは、(ホーム開幕戦の)3月4日に西部緑地公園陸上競技場に集結しろ! 貴様らに俺様のチカラを見せつけてやる! フハハハハハハ」

 ―あまりこういうインタビューを受けることもないと思いますが…

 「もちろん1面に掲載されるんだろうな? 1面じゃないだと? 貴様らにも絶望を味わわせてやる。くだらない記事を載せるくらいなら毎日俺様の話題を載せろ! 愚か者め」

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