【七色コラム】上田桃子、国を背負い“神”に挑んだ平野歩夢のハート見習いたい

スポーツ報知

 私は3月の女子ツアー開幕に向けたハワイ合宿から、開会式の日(9日)に日本へ帰って来ました。一番記憶に残ったのがスノーボードの平野選手の演技です。スピードスケートやジャンプはタイムや飛距離の争いですが、スノボはエンタメ性がすごい。純粋にカッコいいなって。

 金メダルのショーン・ホワイト選手は迫力やエアの高さが他の選手と違いました。そんなカリスマに日本の選手が堂々と立ち向かうなんて! 平野選手は「負けてすごい悔しい。メダルを取って笑える気持ちにはなれない」と話していました。彼はメダルを取るためじゃなく、神様のような存在の選手に勝つためにやっているんだなと。負けてもしょうがないと思わないハートの強さは見習いたいです。決めなければ負ける最後の滑走で逆転したホワイト選手のメンタルも本当にすごい。

 冬季競技にはそれほど詳しくないですけど、いろんなアスリートのトレーニングからヒントを得られるようにしています。普段ゴルフで使わない筋肉もあったり、どんな感じで競技をしているかが気になるんです。スピードスケートなら連動性。下半身が強いのに、上半身との連動性がすごい。どの競技の選手にも共通しているのが、姿勢やバランスの良さです。本当は純粋に試合だけを見たいのに、ついそういうところを見ちゃいますね。

 オリンピックは、あの場に立った人にしか分からないものがあると思います。ゴルフは毎週のように試合があるけど、4年に1回の試合にピークを合わせるってどういう感じなのか。逆にピッタリ合わせられた時の充実感はどうなのか。普段の試合は自分のためにやるのだろうけど、オリンピックは国を背負っている。だからこそ、メダルを取れた時には安堵(あんど)感があるんだと思います。(プロゴルファー、07年賞金女王)

 ◆上田 桃子(うえだ・ももこ)1986年6月15日、熊本市生まれ。31歳。9歳からゴルフを始め、2005年のプロテストに一発合格。07年は5勝を挙げ21歳で最年少賞金女王に輝いた。同年のミズノクラシック優勝で得た出場権で08年から米ツアーに本格参戦。14年から主戦場を日本に戻した。日本ツアー通算12勝、米ツアー通算1勝。家族は両親と姉、弟。161センチ。

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