【磐田】ウズベキスタン代表MFムサエフ「いずれはアジアの盟主・日本を倒せるように」
2018年のJ1リーグが今週23日に開幕。ジュビロ磐田は前年王者・川崎と、25日にホームで対戦する。磐田で2年目を迎えるウズベキスタン代表MFムサエフ(29)は今オフ、実家に帰省。父・ファハリディンさん(59)、母・フェルザさん(54)を交えて、今季への意気込みなどを語り合った。
ムサエフはこのオフ、故郷のウズベキスタンで英気を養い、今季に向けて準備してきた。生まれ育った実家は、首都タシケントから南へ約65キロの街・ブカにある。磐田期待のMFは、家族とともに自宅へ迎え入れてくれた。
ムサエフ(以下ム)「我が家へようこそ。母国にいる時は家族と一緒に過ごしているよ。友達も大勢いるからね」
―まずは基本的なことから。サッカーを始めたのはいつ?
ム「10歳。遅い? 当時(1999年頃)はソ連から独立(91年)したばかりで。スクールがあまりなかった」
母・フェルザさん(以下母)「本当に優しい子だった。『お母さん子』でしたね」
―お父様はウズベキスタンの名門・パフタコールでプレーした元プロ選手。指導は厳しかった?
ム「父は優しく、母は厳しかった」
父・ファハリディンさん(以下父)「好きで始めたサッカーなので、優しく指導した」
母「学校の後、練習に行く前に必ず掃除をやらせていました」
ぜんそく持ちで… ―長男のファルキャドさん(31)も、ウズベキスタンのマシャールでプロ選手。お父様は、次男のムサエフ選手はプロになれると思っていました?
父「ケガをたくさんしていて、正直厳しいと思った。だけど、放課後にずっと練習し、努力して(プロ入りの機会を)つかんだ」
母「ぜんそく持ちだったんです」
ム「全て父のおかげ。いつも足りない技術を教えてくれた。17歳の時、プロへの夢を意識し始めた」
J移籍に父の助言 ―昨季、磐田へ移籍。ご両親には相談した?
母「相談されましたね」
父「遠い国。でも、日本はアジアで一番サッカーが発展していると助言した。磐田でのプレーもインターネットで見ているよ」
ム「J(リーグ)はスピード、戦術、技術が高い。いい選手、指導者もいた。最初は難しかった」
―昨季を振り返って。
ム「6月4日のG大阪戦(3〇0)からの6連勝は雰囲気、モチベーション、状態が良かった。大人のチームだったと思う」
―名波浩監督(45)からは、ムサエフ選手の守備の評価も高い。昨季はリーグ最少の30失点に貢献した。
ム「MFなので攻守の切り替えを強く意識している。でも、FW川又堅碁(28)やGKカミンスキー(27)ら全員が良かった」
―開幕戦はエコパに前年王者を迎える。今季の目標を。
ム「3位以内に入って、ACLに出たい」
父「アジアで頂点に立つ選手になってほしい」
―個人的な目標では?
ム「来年1月、UAE開催のアジア杯メンバーになりたい。まだ出たことがない大会だから。ウズベキスタン人も3~4年後には、欧州へ行く選手が増えるはず。いずれはアジアの盟主である日本を倒せるようになりたい」
母「私は昨年8月、日本へ行った。孫(ムサエフのきょうだいの子供)も一緒で。でも、雨が降って(試合)会場には行けなかった」
―プレーを見せたい?
ム「帰国して、おいしい料理も食べて、英気を養えた。今年こそは両親をヤマハに招待する。その時、得点もする。昨季は4得点だったので、今季は最低5ゴールは決めたいよ」(取材・構成=山田 豊)
◆フォジル・ムサエフ(Fozil Musaev)1989年1月2日、ウズベキスタン・ブカ生まれ。29歳。マシュアル・ムバレク(ウズベキスタン)を手始めに、カタール、イランなどでもプレー。昨季から磐田に加入し、31試合4得点。昨年は同国代表としてロシアW杯アジア最終予選を戦った。183センチ、75キロ。ボランチ。独身。