【札幌】ペトロヴィッチ監督、「とにかく、いいプレーを見せて欲しい」

スポーツ報知
広島での練習開始前に笑顔を見せるペトロヴィッチ監督

 J1北海道コンサドーレ札幌が、新たな歴史を作るための第一歩を踏み出す。チームは24日、今季開幕のアウェー・広島戦に臨む。今季就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)は、1月12日の始動から42日間、心血を注いで指導し、選手の成長を確信。自信を持ってピッチに送り出す。クラブがかねて目標としている「J1定着」へ、ミシャ(監督の愛称)がその手腕を発揮する時が来た。

 穏やかな表情から出る言葉の端々に、選手への信頼感がにじみ出た。開幕戦の地・広島で行われた前日調整。1時間20分を見守ったペトロヴィッチ監督は、札幌での初陣へ「皆が開幕に向かってキャンプを積極的に取り組んでくれたのは素晴らしい事。とにかく、いいプレーを見せて欲しい」と期待を膨らませた。現時点で出来る限りの理論は、注ぎ込んだ。

 雪の札幌で始動し、沖縄、ハワイ、熊本と計42日間、選手たちと寝食をともにしてきた。「監督が代わったクラブはどこも新しいチーム作りとなる。そこはディスアドバンテージ(不利)ではある」。昨季からの継続で組織力を高めるチームとの違いは分かっている。ただ、そこを言い訳にしない。「私が札幌に来たのはチームを変えるため。良くするためにそこを恐れてはいけない」。20代前半をずらりと並べたメンバー構成にも自身の方向性が示されている。新たな札幌のカラーを作り出していく。

 周囲からの期待がかかる初戦も、考え方にブレはない。「勝ち点3を取れるかとか聞かないのかい?」と報道陣に笑顔で逆質問した指揮官が、勝敗よりも強調した事があった。「勝たなければいけない試合だが、自分たちにとって大事なのは、すべき事をピッチで全力を尽くしてやる事。いいプレーをしても負ける時があるのがサッカー。取り組んで来た事を出せるか出せないかは明日(24日)になれば分かる」。大口はたたかない。プロとしてあくまで結果で真価は示す。

 2006年6月から11年まで指揮を執った古巣・広島との開幕戦。「懐かしい気持ちになる場所だが、試合は試合。気持ちで負けることなく、全力を尽くして立ち向かっていきたい」。ミシャが真骨頂を発揮する一年がきょう、幕を開ける。(砂田 秀人)

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