「フライデーナイト Jリーグ」は成功?遠征常連サポの声は?ベアスタで観客5000人増

スポーツ報知
平日にもかかわらず開幕戦に大勢のサポーターが詰めかけた(カメラ・石田 順平)

◆明治安田生命J1リーグ第1節 鳥栖1―1神戸(23日・ベストアメニティスタジアム)

 明治安田生命J1リーグが23日、史上初の平日開催で開幕した。試合は鳥栖のU―21日本代表FW田川亨介(19)、神戸の元日本代表FWハーフナー・マイク(30)のゴールで1―1に終わったが、昨季の鳥栖の平均観客数を5000人以上上回る1万9633人が集まった。「フライデーナイト Jリーグ」と銘打たれた金曜開催の開幕戦を、取材した金川誉記者が「見た」。

 「Jは土日」の常識を覆した平日開幕。国を挙げて導入された月末の金曜日は早めに退社しようという「プレミアムフライデー」に便乗した企画かと思ったが、明確な狙いがあった。村井チェアマンは言う。「土日は家族と過ごしたい、という人たちに(平日に)見に来てほしい。そのきっかけになれば」

 欧州ほど文化としてサッカーが根付いていない日本では、土日を潰し、スタジアムに足を運ぶことにハードルを感じる人たちもいる。一方でプロ野球の平日ナイターは定着しており、受け入れられやすいのでは―。欧州各国では既に導入済みの「金曜開催」は、新たなスタイルの提案でもある。

 そして迎えた当日。思っていた以上の盛り上がりだ。スタジアム周辺は試合前から、開幕を待ちわびていた笑顔のサポーターであふれていた。隣県の福岡・博多からは快速でJR鳥栖駅まで約30分、スタジアムまで駅から徒歩約5分。この日はキックオフを午後8時に設定し、鉄道会社とも連携して試合終了後の電車を増発するなど、手を打ったこともあり、出足は上々だ。

 観戦前のサポーターに話を聞いた。好意的な声もあるが、気になったのは従来からの熱狂的なサポーターの声だ。アウェーの試合も頻繁に観戦するという40代の男性は「正直、土日の方がありがたい」。特に都市中心部から離れたスタジアムは、週末の方が観戦に便利なのは間違いないからだ。

 それでも、この日の観客は1万9633人。昨季ベアスタ開幕戦(2月25日土曜日、14時5分開始)の1万4355人から約4割増で「不安の中でのチャレンジでもあったが、2万人近くの多くの人が集まってくれた」と村井チェアマンは胸をなで下ろした。「フライデーナイト」は現時点で今季残り12試合を予定。「終電ギリギリだー」と足早に駅に急ぐファンが定着するか。週末観戦の成否はJリーグと各クラブの工夫と努力にかかっている。

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