【甲府】金園、自身初の開幕弾宣言!J1復帰へ弾みを

スポーツ報知
ボール奪取を狙う金園英学(中央、後方は吉田達磨監督)

 J2ヴァンフォーレ甲府のFW金園英学(29)が自身初の開幕弾で、1年でのJ1昇格へ勢いづける。

 甲府は25日、アウェーで大宮との開幕戦(午後4時、NACK)に臨む。24日は韮崎市内で最終調整。今季、J1札幌から期限付き移籍で加入した金園は、3トップの中央での先発出場が濃厚。自身5年ぶりとなる開幕スタメンへ「自分の新しい歴史を作れるように頑張りたい」とオープニングゴールを誓った。

 甲府にとって6年ぶりとなるJ2での戦い。その中で、金園は充実した表情をしていた。開幕前日はセットプレーなどを確認し、準備を万全に整えた。大宮戦は3トップの中央での先発が濃厚で、「久しぶりにけがなく、開幕を迎えられている。気持ちは高まっている」と言葉に力を込めた。

 開幕戦の先発メンバーに入れば、磐田に在籍していた2013年シーズン以来、5年ぶりとなる。「(いつ以来か)記憶にないですね」と照れ笑いを浮かべた。近年は故障に悩まされていたが、ルーキーイヤーだった11年にJ1リーグ戦で新人得点数2位タイ(当時)の12ゴールを挙げた逸材。吉田達磨監督(43)も「何でもできる選手」と信頼を寄せている。

 そんな背番号17は、開幕戦のピッチに立ったことが途中出場も含め、4度あるが、いずれも無得点。ここでJ1昇格を争うライバルとなるであろう大宮を相手にゴールを奪えば、自身はもちろん、チームに弾みがつくことは間違いない。それだけに金園は「自分の新しい歴史を作れるように頑張りたい」と開幕弾を誓った。

 金園を支える他の攻撃陣も気合が入っている。2シャドーの左で先発出場が濃厚なFWリンス(30)は昨季、途中加入ながら12試合6得点を挙げチーム得点王となった。今季から背番号10を背負うブラジル人助っ人は「コンディションはいい状態」と笑顔。チームの第1号は誰が決めるか、と問われると「みんなでいいんじゃないのかな。自然に生まれるのが一番いい。勝ち点3を取るのが大事」と総力戦を強調した。強敵の大宮を撃破し、1年でのJ1復帰まで一気に突っ走る。(三須 慶太)

 吉田監督は大宮に対し、改めて最大レベルの警戒心を見せた。注意すべき選手を問われると「名前を出したら全員」と語った。大宮は、昨季J2で18得点を挙げ名古屋のJ1昇格の原動力となったFWシモビッチ(26)を獲得。FW大前元紀(28)ら既存戦力も実績十分でチーム力はJ2屈指だ。指揮官は「それぞれが役割を果たさないと、大変な差になる」と手綱を締めた。

 開幕の布陣は「3―4―3」が予想されるが、キャンプでは様々なシステムをテスト。中盤の底で守備的な役割を担う「アンカー」を配置した「4―1―4―1」や、昨季も敷いた「5―3―2」を試す場面もあった。吉田監督は「試合数が多いし、多彩な戦術変更をするチームが多い。変化球を投げられたときに対応できないと困る」と説明。変幻自在の“カメレオン戦術”でシーズンを乗り切ることもありそうだ。

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