【甲府】相手上回るシュート10本もPKの1点のみで開幕黒星

スポーツ報知
後半9分、仕切り直しのPKをきっちり決めた甲府・リンス

◆明治安田生命J2リーグ第1節 大宮2―1甲府(25日・NACK5スタジアム)

 ヴァンフォーレ甲府はアウェーで臨んだ大宮との開幕戦に1―2で敗れた。前半8分に先制を許し、後半立ち上がりの5分にも2失点目。すぐに反撃に出て、後半9分、FWリンス(30)が今季のチーム第1号となるPKを決めた。攻撃サッカーでシュート数を上回ったものの、追撃弾は出なかった。6年ぶりとなるJ2は黒星スタートとなったが、次節ホーム開幕戦の東京V戦(3月3日)へ必勝を期す。

 寒空の下、敗戦を告げる試合終了のホイッスルが鳴ると、甲府イレブンは表情を曇らせた。3年ぶりの開幕黒星。公式の記録ではないものの、前回J2だった2012年に24戦無敗の記録を作ってシーズンを終えていただけに、J2では実に25試合ぶりの敗戦。吉田達磨監督(43)は「選手たちは一体感を持ってプレーしてくれたが、1本目のCKで失点したのが残念だった」と悔やんだ。

 前後半とも立ち上がりに落とし穴があった。前半8分、大宮の左CKから先制された。「前半は頑張っているものの、何に頑張っているか分からない感じだった」と指揮官。選手たちに緊張が見られ、前線にボールがつながらず、前半のシュートはわずか2本に終わった。

 後半も、5分に右サイドを破られ、早々と2点目を失った。もう開き直るしかなかった。前半よりも高い位置でのプレーが目立つようになり、サイド攻撃から相手ハンドを誘い、PKをゲット。後半9分のFWリンスの得点で1点差に迫り、その後の約40分間、攻めに攻めた。後半だけで8本のシュートを放ち、合計シュート数も甲府の10本に対し、大宮は7本。だが、1点が重くのしかかった。

 就任2年目。攻撃サッカーを目指している吉田監督は「後半は自らを奮い立たせ、前半とは違った姿を見せてくれた」と語った。敗れたものの、同じく昨季J1から降格し、J2屈指のチーム力を誇る大宮に食い下がった内容に手応えも感じている。

 ただ、勝ち点を奪えなかったのは事実。主将のDF山本英臣(37)は「ゲームは90分。45分だけでは相手にダメージは与えられない」と試合を通して主導権を握ることの重要性を強調。札幌から期限付き移籍で加入し、3トップの中央でフル出場したFW金園英学(29)は「流れの中で決められなかったのは責任を感じる。ホームではサポーターの声を味方にして頑張りたい」と口にした。次節のホーム開幕戦で、必ずやサポーターに勝ち点3を届ける。(三須 慶太)

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