【川崎】小林悠、支えてくれた妻や愛する息子達へ…W杯ゴールの“悠姿”見せる

スポーツ報知
ロシアW杯でのゴールを誓った小林

 6月のロシアW杯に挑むサッカー日本代表企画「アレ・ル・ニッポン!(いくぞ ニッポン!)」に、昨季J1初優勝を果たしMVPと得点王に輝いた川崎の日本代表FW小林悠(30)が登場。スポーツ報知の単独インタビューに応じ「W杯でのゴール」を今季の大きな目標に掲げた。W杯メンバー入りへ、支えてくれる家族のためにも最後のサバイバルに臨む覚悟を激白した。(構成・恩田 諭)

 小林は日の丸をつけるだけではなく、大舞台でのゴールを視野に入れている。17年は川崎の初Vに貢献。23得点で得点王となりMVPも獲得した。タイトルホルダーとして迎える今季、世界での活躍も目標に掲げている。

 「W杯に出て、W杯でゴールを決めたいっていうのが今年の目標の一つ。年齢的にも一番いいとき。最後のチャンスだと思っている。今、そのチャンスが自分のところにある。(代表には)調子がいい選手が呼ばれると思うし、(Jリーグで)ゴールを決めて最初から飛ばしていければ」

 これまで度重なるけがに泣かされてきたが、管理栄養士の資格を持つ妻・直子さんに支えられた。

 「奥さんが一緒に僕と悔しさを分かち合ってくれたことで、悔しさは半減して喜びは倍増した」

 愛する息子にも雄姿を見せたい。長男の結翔(ゆいと)くん(3)と次男の真翔(まなと)くん(1)だ。昨年12月のJリーグアウォーズでMVP受賞時には、壇上に妻とともにサプライズ登場した。

 「家のテレビで試合を見ている時に自分が映ると(結翔くんは)『僕もテレビの中に入りたい』と言っている。テレビに映る人はすごい人だと思っている。『サッカー選手になりたいの?』って聞くと『なりたい!』と言っている。本当かは分からないけど、それなりに影響力あるのかな」

 結翔くんは4月から幼稚園の年少になる。

 「早く(サッカーを)覚えさせられればいい。年少からやれるところに入れようかなと思う」

 16年までは試合後に必ず自分のプレーを映像でチェックしていた。だが昨年から“スタイル”を変えた。

 「昨年は試合数が多くて、勝っても負けても一喜一憂しない方がいいなと思った。試合が終わった時点で忘れて、次の試合に向けて準備しようって。それがいい感じでできた。それは今年も継続したい」

 日本代表は14年の親善試合ジャマイカ戦(デンカS)でデビューしたが、けがも多く定着はできなかった。

 「最初は代表に選ばれることが目標だった。選ばれると、なかなか自分のプレーが出せないなというのもあって、緊張もあった。だんだん選ばれる回数が増えてきて、選ばれなきゃいけない場所だなと思うようになった」

 国内組で臨んだ昨年12月の東アジアE―1選手権・中国戦で代表初ゴール。徐々に存在感を増してきた。

 「絶対ゴールを決めなきゃいけないと思って臨んでゴールを決めて段階を踏んできてるのかなとは思う」

 Jでも代表でも結果を出し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)からは「かなり高いレベル(確率)で次(3月)の代表に入る」と評価された。

 「やっぱりゴール。W杯でゴールを決められたら、子どもに自慢できると思うし、一生忘れられないことになる。W杯のメンバーに選ばれたいっていうのと同時に、ゴールを決めたいっていうのが一番の目標」

 FWは岡崎慎司(レスター)、本田圭佑(パチューカ)らも代表入りが不確定なほどの激戦区。JのNO1ストライカーは、家族の支えを胸にW杯スコアラーに名乗りを上げる。

 ◆小林 悠(こばやし・ゆう)1987年9月23日、青森県生まれ。30歳。東京・町田市で育ち、麻布大渕野辺高から拓大を経て2010年に川崎入り。拓大時代には特別指定選手でJ2水戸に在籍し、08年7月の甲府戦(小瀬)でJデビュー。17年は23得点でJ1得点王とMVPを獲得。J1通算203試合79得点。日本代表は14年にデビューし、国際Aマッチ通算11試合2得点。177センチ、73キロ。血液型O。家族は妻と2男。

 ◆小林のライバル 小林はハリル監督から4―3―3の右FWとして考えられている。右FWは昨年11月の欧州遠征で久保(ゲント)、浅野(シュツットガルト)が選出。他にも本田らライバルがひしめく。小林は東アジアE―1選手権でセンターFWを務め、川崎ではトップ下や左でもプレーしており、攻撃的なポジションならどこでもOK。マルチな能力が求められるW杯の23人メンバー入りには最適だ。3月のベルギー遠征(23日・マリ戦、27日・ウクライナ戦)のメンバーは15日に発表される。

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