【札幌】ペトロヴィッチ監督「平常心」で古巣討つ

スポーツ報知
練習後、選手を集めてゲキを飛ばすペトロヴィッチ監督(左から4人目)

 J1北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が、平常心を貫き、古巣討ちを果たす。

 札幌は21日、アウェーで浦和と対戦する。昨年7月まで指揮した相手と札幌の監督として初の対戦にも、ペトロヴィッチ監督は過度な意識は捨て、自分たちの戦いに徹する姿勢を強調した。広島でスタートさせた日本での監督生活で、古巣相手の初戦は2戦2敗と勝ちがない。埼玉スタジアム2002でのリーグ戦100戦目の采配となる今日、ミシャ(同監督の愛称)が負の歴史に終止符を打つ。

 繰り返した言葉が、ペトロヴィッチ監督の胸中を物語っていた。昨年7月まで指揮を執った浦和と、札幌監督として迎える初の対戦。5年半余り采配をふった思い出多きチームを敵に回す戦いになるが、強調したのは「平常心」だった。

 「指導した選手に会えるのはうれしいが、試合はこれまでと同じようにやるだけ。若い頃は特別な思いも持ったりしたが、今はこういう戦いにも慣れている。いつも通りに平常心で戦ってくれれば」。過剰な意識は捨て、すべき事を徹底するのが勝利への近道と、ペトロヴィッチ監督は説いた。

 古巣との初対戦が注目されている事は理解している。ペトロヴィッチ監督は「見る人やマスコミは興味深い試合として捉えているだろう」と口にした。その上で「ただ我々にとっては34試合のうちの1つ。高すぎるモチベーションは間違った方向に行きかねないし、この試合が生きるか死ぬかという戦いではない」と続けた。周囲の喧騒は気にせず、目の前の一戦に集中し、タクトを振る。

 広島で監督生活を開始し、2012年に浦和の監督となった。その年の開幕戦で広島と当たり、0―1で敗れた。札幌の監督となった今季も、広島には開幕戦で0―1で負けている。古巣相手の“三度目の正直”へ「全力で戦って、見ている人から面白いと思われる試合をしたい。それだけ」とミシャ流全開の攻撃的スタイルで、勝機を見いだす。

 ペトロヴィッチ監督が埼玉スタジアム2002でリーグ戦の指揮を執るのは、今日の戦いがちょうど100試合目になる。クラブ史上初となるJ1での4連勝を飾るにふさわしい、舞台設定は整った。(砂田 秀人)

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