【G大阪】大阪ダービー制し最下位を脱出

スポーツ報知
前半41分、G大阪・黄義助(左から2人目)がPKを決め、イレブンと喜ぶ(カメラ・渡辺 了文)

◆明治安田生命J1リーグ第9節 G大阪1―0C大阪(21日・パナソニックスタジアム吹田)

 G大阪がC大阪との大阪ダービーを1―0で制し、最下位を脱出して17位に浮上した。前半16分に日本代表GK東口が負傷交代するアクシデントがあったが、同41分にFW黄義助がPKで奪った1点を守り切り今季2勝目。かつてC大阪も率いたレヴィー・クルピ監督(65)は、リーグ戦での大阪ダービーは5試合目で初勝利となった。

 かつての教え子たちとの“大阪ダービー”を制し、クルピ監督は安どの息をついた。PKで奪った1点を守り切り、つかんだ勝利だ。C大阪監督のリーグ戦でのダービーは2敗2分け。G大阪監督に就任し、自身7年ぶりのダービーで初勝利を挙げ「正直言うと、C大阪との対戦はできればしたくなかった。アミーゴと呼べる仲間と、生きるか死ぬかの戦いをする。非常に複雑な思いはあった」と、試合を振り返った。

 ここまで最下位に低迷し、ダービーに敗れれば監督解任の機運が高まってもおかしくなかった。そんな“崖っぷち”で、試合前に「これは戦争なんだ」と選手たちを鼓舞して臨んだ。

 前半16分、日本代表GK東口がDF三浦との接触で顔面を強打し交代。21歳GK林を、J1初出場のピッチに送り出した。守護神の離脱が、チームをより結束させた。東口がピッチを去る際「絶対に勝つから」と声をかけた三浦は、力強いプレーでC大阪FW杉本を封じた。J1初先発に抜てきされた19歳MF高江は、豊富な運動量で攻守に躍動し、C大阪の日本代表MF山口のパスをカットして先制点の起点に。“緊急デビュー”のGK林は後半アディショナルタイム、C大阪FW高木のシュートに好セーブを見せ、チームを救った。

 「戦うスピリットをすべて出し尽くし、G大阪のユニホームを着て、プライドをかけて戦った選手たちをたたえたい」。勝ち点3以上の意味を持つダービーでの勝利。いまだJ2降格圏に沈むが、浮上のきっかけとなるはずだ。(金川 誉)

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