【甲府】まさかJ2序盤10節で17位…逆襲へゴール前の精度アップを

スポーツ報知
21日の愛媛戦で引き分けに終わり、厳しい表情で引き揚げる甲府イレブン

 J2リーグ戦は第10節を終了した。6年ぶりのJ2を戦っているヴァンフォーレ甲府は、2勝4引き分け4敗で勝ち点10の17位と苦しんでいる。チームの現状と課題は。

 「まさか」と言っていい成績だろう。昨季まで5年連続でJ1にとどまり続け、今季のJ2では上位候補との呼び声も高かった甲府が、スタートダッシュに失敗。J1昇格圏(6位以内)とはほど遠い17位に沈んでいる。調子の上がらない状況に、14日のホーム・松本戦(0●1)の後にはサポーターの一部が居残るなどの騒動となった。

 その要因が決定力不足だ。チーム得点数は8で、リーグワースト3位タイ。第10節終了時点では、無得点に終わったのが半数を超える6試合となっている。一方で失点は9。セットプレー絡みが6失点と課題はあるが、リーグでは最少から数えて4位タイと計算は立つ。J1だった昨季もリーグ最少の23得点に終わった。深刻な決定力不足は克服できていない。

 当然ながらゴールを奪えなければ、勝ち点3は取れない。ある選手は「甲府が今までJ1で勝ち点を積み重ねてきたような試合をするチームが多い。甲府がやっていたことを相手にやられている」と分析する。21日の愛媛戦(0△0)がその典型と言っていいだろう。守備を固める相手にボールは支配するものの、ゴールを割れなかった。選手の1人は「クロスや最後の精度、工夫が足りなかった」と悔やんだ。相手の戦法に、戸惑いもあるのだろう。

 またJ2ながらルヴァン杯出場に伴う過密日程もあり、なかなかメンバーが固定できない事情もある。さらに吉田達磨監督(43)が以前、「(リーグ戦だと)結果を気にして少し硬くなっている」と話したように、重圧が重くのしかかっているのかもしれない。ただ、もう10節だ。いつまでもそんなことは言っていられない。早急にゴール前の落ち着きを得ること、精度のアップが求められる。

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