【宏太’Sチェック】都倉、異次元同点ゴール

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第10節 札幌2―1横浜M(25日・札幌厚別陸上競技場)

 都倉が決めた同点ゴールは、異次元といえるものだった。福森の左クロスをトラップして右足で蹴ったものだが、彼のリーチがないとできない得点だった。

 その場面、ゴールやや右にいた都倉は、角度的には難しくなるが、右にボールを置いた。相手は奪うためには2歩詰め寄る必要が出たが、都倉はそれを難しい体勢でも1歩で即、打てるから、決めることができた。いい体勢で打てるトラップをしていたら、相手も対応できたが、自身の強みを生かし、どんなDFも届かない位置に置いたのは見事だった。

 先制もされた前半苦しんだのは、相手のワナにはめられていたから。通れば確かにビッグチャンスにはなるが、難しい選択をして、逆に相手にそこを狙われる場面が目立った。一発での局面打開をやり過ぎるのではなく、簡単にいい位置にいる選手を使えば結果的に大きな好機になる。落ち着いて攻め急がないことも、流れを変える上では必要だ。

 ただ、逆転勝ちした結果は素晴らしい。今季の札幌は終了間際に劇的ゴールを決めたり、横浜M戦のように後半に逆転したりと、終盤の強さが目立っている。走れる若い選手が多いだけに、今後もその強みを生かし、最後まで走り抜く気持ちでやっていけば、更に成長が図れ、より楽しみなシーズンになる。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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