【札幌】DF金が退場も10人で価値あるドロー

スポーツ報知
前半16分、先制ゴールを決める福森

◆明治安田生命J1リーグ第11節 仙台2―2札幌(28日・ユアテックスタジアム)

 北海道コンサドーレ札幌が“強さ”を見せつけるドローで、勝ち点1を手にした。アウェー・仙台戦は1―1の後半28分、DF金眠泰(24)が2枚目の警告を受け退場。10人となる中、同33分にMFチャナティップ(24)のゴールで勝ち越した。一丸となってリードを守りにいったが、ラストプレーで失点し、2―2で引き分けた。あと一歩で勝利こそ逃したが、数的不利を覆す堂々の戦いぶりで、8戦連続負けなしを記録した。

 試合終了の瞬間、札幌イレブンは天を仰ぎ、両膝に手をつき、うなだれた。最後の最後に追いつかれ、届かなかった白星。先制点の福森晃斗(25)が「勝ち点2を落とした試合」と表情を険しくしたように、アウェーでの引き分けにも誰一人納得してはいなかった。だが、「強さ」を見せたのは確かだった。

 後半28分、金が相手ともみ合った際、2枚目の警告を受けピッチを去った。10人となったが、左右への速い展開から、チャナティップが得点を決めた。数的不利を覆してリードを奪い、ロスタイム表示の49分まで、全員で必死に守った。追いつかれはしたが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が「後味が悪い印象はあるが、1人少ない中、引き分けで終われたことには満足している」と言ったように、価値あるドローだった。

 采配も光った。ペトロヴィッチ監督は今季初めて、福森をボランチで起用した。「精度の高いパスを、あらゆる方向に供給できる特性を、真ん中で生かそうと考えた」。仙台戦当日に指揮官から告げられた福森も「どこでもやれる準備はしていたので驚きはなかった」と順応。前半16分には今季初得点と、期待に応えた。5月20日まで続く連戦を切り抜けるための、新たなオプションも得ることができた。

 4月を4勝2引き分けと、11年ぶりに負けなしで乗り切り、8戦連続不敗で4位を保持した。堂々の結果と同時に、福森が「最後の場面でラインを1メートルでも2メートルでも前に出られるようにしないと」と口にしたように、さらなる向上への修正点も痛感した。悔しい引き分けも、今後に向けては間違いなくプラスとなる。(砂田 秀人)

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