【甲府】堀米、芸術ループ!上野新体制4発1勝

スポーツ報知
芸術的なループシュートでチーム2点目を決めた堀米

◆明治安田生命J2リーグ第13節 熊本1―4甲府(6日・えがお健康スタジアム)

 ヴァンフォーレ甲府は敵地で熊本に4―1で快勝。上野展裕監督(52)が就任2戦目で初白星を挙げた。試合開始早々の前半4分に先制点を奪うと、その後は攻撃陣が大爆発してゴールラッシュを見せた。リーグ戦の勝利は4月1日のアウェー・岐阜戦(4〇3)以来、6試合ぶり。順位は一つ上がり17位となった。次節は12日のホーム・栃木戦(中銀スタ)。この勢いで、今度は本拠での今季初勝利を狙う。

 雨空に鳴り響いた勝利の笛に、イレブンは安どの笑顔を見せた。先月1日の岐阜戦以来、35日ぶりのリーグ戦白星。同30日に就任した上野監督にとっては甲府での初勝利となった。指揮官は「選手は、前からボールを追って(前線からの)フォアチェックをしてくれた。よくやってくれたと思う」とたたえた。

 エースFWリンス(30)を外し、1トップ2シャドー(下がりめのFW)を置く布陣で臨んだ甲府。指揮官が「攻撃の枚数を増やして積極的にやろうと思った」と話した狙い通り、選手は前線から仕掛けた。前半4分にMF新井涼平(27)がペナルティーエリア外の左から右足でシュート。ゴール前にいたFW小塚和季(23)に当たってコースが変わり、ゴールへ吸い込まれた。小塚は「狙っていないです。(今季)初ゴールがこんな感じで恥ずかしい」と照れたが、積極的に前へ出る姿勢が先制点を呼んだ。

 さらに流れを引き寄せたのは、MF堀米勇輝(25)の左足だ。小塚の浮き球パスに反応。DFのクリアミスを見逃さずにボールを拾うと、最後は芸術的なループシュートで追加点を奪った。「GKが前に出ているんじゃないかなと思って。感覚ですね」と振り返った。

 下部組織で育った“甲府の至宝”が、プロになって初めて他クラブに移籍(2013年途中)したのが熊本だった。25試合4得点と活躍した堀米。今季は思うような結果は残せていないが「ここだと点を取れるというイメージを無理やり持ってやっていた」とポジティブ思考でいい流れを呼び込んだ。“ミスター・ヴァンフォーレ”と呼ばれた石原克哉氏(39)から受け継いだ背番号7で決めた初ゴールでもあり、感慨深い今季初得点となった。

 トンネルからようやく抜け出した甲府。次節は今季未勝利のホームでの栃木戦だ。堀米は「これをきっかけに、今後も活躍できたら」と飛躍を誓った。今度は本拠で大声援を送るサポーターに白星を届ける。(三須 慶太)

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