【仙台】西村、6戦ぶり白星導いた

スポーツ報知
前半36分、冷静にPKを決める仙台・西村

◆明治安田生命J1リーグ第13節 湘南1―3仙台(6日・BMWスタジアム平塚)

 ベガルタ仙台がアウェーで湘南に3―1で勝利。FW西村拓真(21)が2得点して、チームにリーグ戦6試合ぶりの勝ち点3をもたらした。前半3分にMF野津田岳人(23)の今季初ゴールで先制すると、同36分、西村がPKを冷静に決めて追加点。後半6分に相手にPKを決められて1点差に詰められたものの、同47分に西村がダメ押しのゴールを挙げた。仙台の順位は7位に浮上した。

 俺が蹴る―。1―0の前半36分、セットプレーからPKを得た仙台のキッカーは西村だ。5分前に得たPKをエースFW石原直樹(33)が失敗。また外せば一気に流れが変わりかねない重圧のかかる場面だったが、21歳のストライカーは落ち着き払っていた。力強く振り抜かれた右足にはじかれたボールはゴール左に吸い込まれ、結果的に、これが「決勝点」となった。

 最初にキッカーに名乗りを上げたのは、前半3分に今季初ゴールで先制点を決めた野津田だった。野津田は「僕が蹴るものだと思っていたんですけど、西村も蹴りたいと言ってきて、流れで、じゃんけんになりました」と苦笑い。西村は「力んでるから(野津田は)グーを出すと思った」と、ここでも冷静にパーを出して、キッカーの権利をゲット。しっかり仕事を果たした西村は、野津田と抱き合ってゴールを喜んだ。

 試合は、2―0の後半6分に相手にPKを決められた後は、押し込まれる苦しい展開が続いたが、西村がはね返した。ロスタイムの同47分、カウンターで抜け出すと、キーパーとの1対1を制して、ダメ押しゴールを決めた。渡辺晋監督(44)は「拓真(西村)が最後まで足を止めずに3点目を取ってくれた」と、勝利を決定づける一撃に目を細めた。

 チームは6戦ぶりに勝ち点3をつかんで、順位は7位に浮上。西村はこれで今季チームトップの6得点。Jリーグの得点ランキングでも6位タイに浮上した。試合後は口癖のように「個人としてもっと技術をあげていかないと…」と、貪欲に成長を求めた背番号30。西村の進化の先にチームの上位進出も見えてくる。(小林 泰斗)

サッカー

×