イニエスタの素顔…郷土愛と家族愛強い“静かなる偉人”

2018年5月25日11時0分  スポーツ報知
  • ベンチ前で梨田監督(中央右)ら楽天ナインと記念撮影に納まるイニエスタ(中央左=カメラ・関口 俊明)

 イニエスタはバルセロナで数々のタイトル獲得に貢献した。実力も知名度も超一流の天才司令塔の素顔とは―。

 20日、バルセロナの選手として最後の試合となったホームのRソシエダード戦後、誰もいなくなったカンプノウに裸足(はだし)のイニエスタがいた。ピッチの中央に座り、スマホを繰りながら静かに別れを惜しんだ。その姿は、まるで彼のキャリアそのもの。静かなる偉人。それがイニエスタだ。

 人口2000人弱のフエンテアルビリア村からバルセロナに移り住んだのは12歳の時。「最初は寂しくていつも泣いていた」と振り返る。控えでも腐らず、地道に「学校の校庭でやっていたスタイルでここまできた。それが僕のエッセンス」と貫き通した。

 田舎から都会に出てくると性格が変わる人間もいるが、彼の郷土愛は強い。故郷にワイナリーをつくり、自らの名前で国外にも出荷し、村の経済に貢献。出身クラブであるアルバセテ(現2部)の筆頭株主にもなった。

 モデルやタレントと結婚する選手が多い中、元スポーツ記者のアンナ夫人(32)とは08年のインタビューで「どんな人がタイプか」と問われ「僕の目の前にいる子がタイプかな」と答えたことがきっかけで交際に発展。11年に式を挙げ、温かく堅実な家庭を作っている。1男2女の子供に恵まれた今でも、初めて会った記念日には毎年ロマンチックなディナーを欠かさない。新天地を日本に決めたのも、家族との生活を考慮したからといわれている。

 見た目同様、しゃべり方も朴訥(ぼくとつ)としている。声が小さく、インタビューでは聞き取りにくかったが、日本人にも真摯(しんし)な態度で受けてもらえたのはうれしかった。体力的にはピークを過ぎているが、その技術と頭脳的なプレーの組み立ては、神戸だけでなく日本サッカー界に大きく貢献するだろう。(スポーツ報知スペイン通信員・岡野誠子)

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