【仙台】西村拓真、夢の代表へ理想の自分へ「もっと上に行きたい」

スポーツ報知
インタビューに応じた西村。ストイックに鍛え続ける若きストライカーは今季チームトップの6得点を挙げている

 J1ベガルタ仙台のFW西村拓真(21)がこのほど、「スポーツ報知」のインタビューに応じた。J1リーグ戦15試合を終えて6得点はチームトップ。もっとうまくなりたい、もっと上に行きたい―。入団時に将来の日本代表入りの『夢』を話していた背番号30は、今季の手応えや自らの成長に懸ける思いを口にした。チームは6日、天皇杯2回戦でJ3ザスパクサツ群馬とホーム(午後7時、ユアスタ)で戦う。(取材・構成=小林 泰斗)

 プロ4年目のシーズン、21歳のストライカーは、確かな成長を見せている。開幕直後はベンチスタートだった西村だが、3月31日のリーグ戦第5節・長崎戦(1●0)で今季初先発すると、いきなり得点を挙げて勢いに乗った。今季リーグ戦15試合を終えて、6得点はチームトップだ。

 「個人として印象に残っているのは長崎戦。今季リーグ戦初先発でゴールを挙げることができて、気が楽になった。去年の後半、なかなか点が取れなかったことを気にしていた。今までやってきた練習が実って、やってきたことは間違っていなかったと感じられました」

 昨季はリーグ戦28試合に出場(先発は17試合)も、2得点にとどまった。だが、今季は渡辺晋監督(44)が「ゴール前での冷静さが身に付いた」と評価するように、しっかりボールを捉えて、シュートの精度が向上している。

 「去年も得点を取れるチャンスはいっぱい、あった。取れなかったのは運じゃなくて、実力のせいだと思っていた。実力は、今は成長していて、少しずつ形になっているのかなと思います。特にキックのミート率が上がったと思います。でも、ビッグクラブ相手には、まだまだ通用していない。駆け引きのうまさが違う。そこの余裕が自分の中ではまだ、ないです」

 今季は本職の3―4―3のシャドー(下がりめのFW)に加えて、3―5―2のインサイドハーフの練習も行い、選手として幅を広げる取り組みもしている。

 「違う仕事がいっぱい増えてくるので、やりにくさというよりは、自分ができないことに気づけたという感じ。シャドーに比べて、(インサイドハーフでは)少し引いて…。守備でも、攻撃のスタートも、一つ低い位置からスタートするので、そこからのプレーの景色は新鮮な感じはします。相手と対面するポジションも違いますし、いろんな場所での対峙(たいじ)があります。個人として能力があれば、どこをやっても変わらないと思いますし、モノにしていきたいと思います」

 今季はW杯の開催年ということもあり、長崎戦から5月20日までの鹿島戦まで15試合(リーグ戦11試合、ルヴァン杯4試合)を戦う過密日程。そのうち11試合に、西村は先発出場した。

 「(日程は)全然、何も嫌じゃなかったし、ありがたかった。それでも1試合、1試合に対しての感覚や意識をすごく大事にしたいと思っても、やっぱり薄れてしまっていた時が、今思えば、ありますね。前の試合を引きずるのは一番いけないんですけど、切り替えろ切り替えろっていう風になっていくので、大事なところが薄れていたこともありました。次の試合がすぐ来るので、(気持ちの切り替えと課題に向き合う時間の)バランスがすごく難しかったです」

 入団時、西村は日本代表入りの『夢』を口にしている。4年後、8年後の夢の舞台を目指して、研さんの日々は続く。

 「サッカーを始めたのも、そういう夢がきっかけ。昔と思いは変わらないです。もっと成長して、上に上に行きたい。守備も攻撃も全てできるようにしたい。得点も取れるし、ボールも収められるし、相手の嫌なことをずっとできるようになりたいです」

 今春のキャンプから、誰よりも練習を重ねてきた。

 「(気分転換の)趣味とかは全くないです。自分のストレス抱えているところはサッカーなので、練習で自分を高めたいです」

 どこまでもストイックな21歳は、理想の自分になるために飽くなき挑戦を続けていく。

 ◆西村 拓真(にしむら・たくま)1996年10月22日、名古屋市生まれ。21歳。3歳上の兄・裕太さんの影響で4歳からサッカーを始め、極楽小、高針台中では名東クラブに所属。富山第一高に進学し、2年時にはレギュラーとして、全国高校選手権で全国制覇。2015年に仙台入り。J1通算55試合出場9得点。178センチ、72キロ。家族は両親と兄。

サッカー

×