【宏太’Sチェック】中断期間中にペトロヴィッチ監督の教えをたたき込め

スポーツ報知
6日の滋賀戦を観戦した吉原氏

 J1北海道コンサドーレ札幌の更なる躍進へ、元日本代表で、本紙評論家の吉原宏太氏(40)が提言を示した。6日の天皇杯でJFL・滋賀戦に2―1で勝った札幌は、7日から11日間のオフに入った。同戦を観戦した吉原氏は、リーグ戦5位と好調のチームがより良化するため、7月18日のリーグ再開・川崎戦までの中断期間で、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)のスタイルを徹底する必要性を説いた。

 自分たちがすべきプレーをしないと、格下相手でも苦しむことが証明された。2―1で勝った滋賀戦だが、前線の運動量がないため、パスコースがなく、ただつなぐだけのサッカーになってしまった。ミシャ(監督の愛称)が本当にやりたいのは、ボールを持った瞬間に受け手が動き、3つ、4つと出す選択肢ができる形。好調の頃はそれができていたが、まだまだ体に染みこませる必要があると痛感した。

 リーグ再開まで1か月以上の中断は、確実にプラスになる。まずはこの期間で、体だけでなく、頭もリフレッシュさせる。そこから体が自然に動くように、ミシャの教えを体にたたき込むこと。11試合負けなし中の時期(7勝4引き分け、3月18日の第4節~5月13日の第14節)も、内容にばらつきが出るなど、不安定要素はあった。開幕前の2か月では徹底できていなかった部分を補うには、絶好の時間になる。

 滋賀戦で出た課題が格好の教材になる。同戦では、体と反対の向きに難しいパスを出そうとして、カウンターを食らっていた。一つのミスが出ると3人目、4人目がごちゃつくのがミシャサッカーの弱点でもある。逆に少ないタッチでシンプルに攻撃できれば、相手を圧倒もできる。サッカーというのは、受けるタイミングや体の向き一つで優位に立てるもの。そこにこだわるミシャの教えが徹底され、簡単にサッカーができるようになれば、より強くなれる。

 残り19試合、出場停止などでメンバーがそろわないこともある。それを乗り切るためのキーマンは稲本。ボランチで入った滋賀戦での安定感はさすがのものだった。ベテランの経験と技術で組織力を押し上げ、どんな相手にも安定した戦いができる集団にしてほしい。(1996~99年札幌FW)

サッカー

×