【鹿島】元日本代表MF小笠原、引退発表 39歳の決断

スポーツ報知
引退を決めた小笠原満男

 鹿島は27日、元日本代表でMF小笠原満男(39)が今季限りで現役から引退すると発表した。小笠原は1998年に岩手・大船渡高から鹿島入り。2006年まではトップ下、期限付き移籍先のイタリア1部(当時)メッシーナから復帰後の07年以降は主戦場をボランチに変えて、J1通算525試合(69得点)に出場。日本代表でも国際Aマッチ55試合出場(7得点)と活躍し、02年日韓、06年ドイツW杯に出場した。

 小笠原は、相手の穴を突く頭脳と正確なパスを武器に台頭。鹿島ではプロ2年目から出場機会を増やし、3年目にポジションをつかんだ。鹿島復帰後はボール奪取に磨きがかかり、晩年まで主力として活躍。プロ21年間で国内主要大会(J、ルヴァン杯、天皇杯)に、アジア・チャンピオンズリーグを加えた大会における獲得タイトル数「17」は、GK曽ケ端(鹿島)と並んでJリーグ最多タイ記録だ。各年代別代表から同じチームでプレーした小野伸二(札幌)、本山雅志(北九州)らと比べて、プレーに華やかさはなかったが、「勝たせられる選手」を地でいった。

 ただ、39歳を迎えた今季はひざに水がたまる症状に悩まされた。リーグ戦は14試合の出場にとどまったが、ひざにテーピングを巻きながら、練習に参加。最後までチームメートにも弱みを見せないことを貫いていた。引退後の進路については、未定となっている。

 小笠原は小野、稲本潤一、本山雅志らと同じ79年生まれで、才能豊かな選手が集まる「ゴールデンエージ」と言われる年代。99年世界ユース(現U―20W杯)で準優勝したメンバーにも名を連ね、鹿島で一時代を築いた。同じく今季限りで引退したGK川口能活(最終所属・相模原)に続き、日本サッカー界を引っ張ってきた小笠原がユニホームを脱ぐことになった。

 ◆小笠原コメント「今シーズンをもって、鹿島アントラーズで現役生活を終えるという決断をしました。これまで自分を支えてくれた方々、一緒に頑張ってきた選手達、応援してくれたサポーター、鹿島アントラーズに関わるすべての方々に感謝しています。鹿島アントラーズという素晴らしいチームでここまでプレーでき、鹿島アントラーズでサッカー選手として引退できることを、とても嬉しく、そして誇りに思います。本当にありがとうございました!」

 ◆小笠原 満男(おがさわら・みつお)1979年4月5日、岩手県盛岡市生まれ。39歳。大船渡高卒業後、98年に鹿島入り。02、06年W杯日本代表。Jリーグで6度のベストイレブン受賞、09年にMVP。11年3月の東日本大震災後、東北サッカー界の復興を目指して活動する「東北人魂」の発起人となり、今も活動を続けている。Jリーグ通算試合525試合69得点。代表Aマッチ55試合7得点。173センチ、72キロ。既婚。

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