ヘルタ原口が心臓病少年と交わした涙の約束

2017年6月16日5時0分  スポーツ報知
  • 心臓病と闘う菊地秋也くんをお見舞いした原口(秋也くんを救う会提供)

 サッカー日本代表FW原口元気(26)=ヘルタ=が15日、東京・板橋区の日大板橋病院を訪れ、心臓病と闘っている原口ファンの菊地秋也くん(11)を見舞った。8月31日のロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(埼玉)でのゴールをリクエストされると涙を流して約束。勝てば6大会連続6度目のW杯出場が決まる大一番で得点とロシア切符をゲットして、秋也くんに元気を届ける。

 原口は涙をこらえることができなかった。病室での面会が終わると、酸素吸入器を鼻につけ、腕に点滴を受けている秋也くんが車椅子でエレベーターホールまで見送りに来てくれた。腰を落として目線を合わせると、秋也くんから「オーストラリア戦頑張ってください。10点決めてください」とお願いされた。「10点は無理だけど、1点決めるね」。あふれる思いが涙となってこぼれた。

 「彼と約束しましたので…約束を果たしたい」。原口は感情の高ぶりから言葉を詰まらせた。最終予選では昨年9月のタイ戦から11月のサウジアラビア戦まで日本代表初の4戦連発を決めたが、ここ3試合は無得点。オーストラリア戦は消灯時間の午後9時までテレビ中継を見る秋也くんのためにも戦う。秋也くんの父、陽介さん(43)は「元気選手が1点を決めてW杯出場を決めてくれることが一番の薬になります」と話した。

 イラクとの最終予選を戦ったイランから14日深夜に帰国し、翌日に駆けつけた。原口の大ファンだという秋也くんが難病の「拘束型心筋症」と闘い、米国で心臓移植手術を受けるための費用(1億2700万円)の募金活動が「秋也くんを救う会」を中心に行われていることを知り、1週間前に見舞いを決めた。

 面会中、秋也くんから「諦めずにボールを追いかけるところが好き」と伝えられた。サインを書いたスパイクとボールをプレゼントし、エール交換もした。秋也くんは「けがをしないで頑張ってください!」。原口は「早くよくなってサッカー一緒にしよう」と色紙に記した。「頑張れ、諦めるなと言葉をかけても、彼は十分している。それより(サッカーを一緒にする)約束をすることによって、治りたいという気持ちが強くなると思った。病気に勝ってほしい」。心を込めた約束を胸に、秋也くんとグータッチして病院を後にした。(羽田 智之)

 ◆拘束型心筋症 心室の壁が硬くなり十分に膨らむことが出来ない原因不明の難病で、突然死のリスクもある。秋也くんは小学校1年生の時、心電図検査で見つかった。米国での心臓移植手術には渡航費、滞在治療費など1億2700万円が必要で「秋也くんを救う会」を中心に募金活動が行われている。15日時点で8823万2953円が集まっている。詳細は「秋也くんを救う会」のHP(http://saveshuyakun.com/)。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
海外サッカー
今日のスポーツ報知(東京版)