【二宮寿朗の週刊文蹴】「メッシと俊輔」中央がFK成功率高める!?

スポーツ報知

 バルセロナのリオネル・メッシが神懸かっている。4日のAマドリード戦で3試合連続となる直接FK弾を記録。壁下を通して決めた先月24日のジローナ戦のゴールにもうならされたが、この日はゴール正面右の位置から高い壁をものともせず“曲げて落として”放り込んでいる。24得点は同僚のルイス・スアレスを抑えてランキングトップ。これがプロ通算600ゴールというメモリアル弾でもあった。

 先月、日本の名手である中村俊輔に今季のメッシのプレーについて聞く機会があった。昨季の「右FW」中心ではなく2トップ、トップ下と「中央」に戻ったことで「フリーマンみたいに自由に動いてボールに触る回数が多い。のめり込んでサッカーをやっているような感じを受ける」と印象を述べている。

 中央でプレーすることと直接FKの成功率には、何かしら因果関係があるのだろうか。というのも横浜M時代の中村はトップ下を務め、2度目のMVPを獲得した13年に「新しい発見」としてこう語っていたのを思い出したからだ。「トップ下をやってみて感じるのは、ボールに多く触れて集中が途切れない。サイドハーフではダッシュしたかと思えばボールが一切来ない時間帯もあって、どうしても疲労感を誘う。でも(トップ下は)集中を切らさずに、360度ぐるぐる走り続けるから疲れを感じにくいし、ボールに多く触っているからセットプレーでも感覚をつかみやすい」

 集中の持続とボール感覚。ゲームに常にかかわるポジションのため、セットプレーのキックにもプラスに働くという実感を持つことができていた。中村からすればメッシの“3試合連続FK弾”は驚くものではないのかもしれない。「のめり込んで」ゲームに入っていけばいくほど、成功率は高まっていくと言えまいか。(スポーツライター)

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