香川―乾の新ホットライン完成 約2年間のコンビで培われた“あうんの呼吸”…担当記者の目

2018年6月14日6時0分  スポーツ報知
  • パラグアイ戦の後半終了間際、チーム4点目を決めた香川(左から2人目)は乾(右)に祝福された(左は長友)

 FIFAランク61位の日本は、W杯開幕前最後の強化試合で32位のパラグアイと対戦し、4―2で逆転勝利した。後半6、18分とMF香川真司(29)=ドルトムント=のアシストを受け、MF乾貴士(30)=ベティス=が自身2度目の1試合2発。コロンビア戦に向け香川―乾の「新ホットライン」が完成した意義を、内田知宏記者がひもといた。

 あうんの呼吸だった。1点を追う後半6分、縦パスをMF香川が落とし、拾ったMF乾が右足で同点弾を突き刺す。同18分には右からのクロスを香川がコースを変え、再び乾が決めた。乾が「(香川)真司とはやりやすい。得点までつなげられたのはすごく良かった」と言えば、お膳立てした香川も「長年やってる分、知ってる。ひとつチームとしての武器になるってことを証明できた」と喜んだ。

 09年、J2のC大阪でプレーした2人は、チームの100得点中47点(香川27、乾20)をたたきだした。外国人助っ人が無双状態となることはあっても、日本人だけでここまでの結果を残した例は少ない。一方で、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、バヒド・ハリルホジッチと代々の監督は本格的に2人を試す発想には至らなかった。それは前線に本田が君臨していたからでもある。

 香川は代表で輝けない―。いつからか定説になった。その理由を、ユース年代から代表でプレーしてきたDF内田篤人(30)=鹿島=はこう指摘する。「代表では真司に役割を背負わせすぎ。本来ならゴール前で真司、お願い!ってパスを預ければいい。それが持ち味。ドルトムントでもそう」。チーム、そして近くにいる本田に合わせるプレー。主力だが、香川を中心に据えて戦ったことは出場92試合の中でも多くない。

 眠っていた力を引き出したのは乾だった。前線でのパス交換、連係した動き。常に香川に目をやり、良さを引きだそうとしていた。香川が合わせるのではなく、香川に合わせる。C大阪時代から知る乾だからこそ、できた所業と言ってもいい。香川は後半ロスタイム1分、自らゴールも決めた。ロシアW杯初戦のコロンビアは屈強なDFがそろい、個での突破は難しい。決定機を見いだすには高度な連係プレーが必要になる。乾との連係は「チームとしてすごく大きい」と香川。W杯前、最後の試合で日本の行く道が見えた。(内田 知宏)

 ◆香川と乾のC大阪時代 乾が横浜Mから期限付き移籍で加入した08年途中から、香川がドルトムントに移籍する10年途中まで約2年間プレー。2人は主にセンターFWの下で自在に動き回るシャドーストライカーとしてコンビを組んだ。J2だった08年には2人で22得点(香川16点、乾6点)を挙げ、09年にはチームの100得点中47得点を2人で奪い、J1昇格に貢献した。同年は香川が得点王を獲得し、乾も4位だった。

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