石川佳純、奪回へ!負けて成長、攻撃的スタイルで美宇に雪辱…卓球全日本選手権15日開幕

スポーツ報知
王座奪還を狙う石川。ともに勝ち続ければ決勝で当たる平野への雪辱に燃えている

 卓球の世界選手権団体戦(4月29日~5月6日、スウェーデン)代表選考を兼ねる全日本選手権が、15日に開幕(~21日、東京体育館)する。女子シングルスは昨年4連覇を逃したリオ五輪女子団体銅メダルの石川佳純(24)=全農=が、王座奪還へ燃えている。平野美宇(17)=エリートアカデミー=は初の連覇を目標に掲げた。男子シングルスは5連覇と10度目の優勝が懸かる水谷隼(28)=木下グループ=に、張本智和(14)=エリートアカデミー=らが挑む。

 石川は「挑戦者」として挑む全日本選手権を心待ちにしている。前回大会は決勝で平野に2―4で敗れ、戦後3人目の4連覇を逃した。1月の世界ランクは日本勢トップの4位。日本女子を引っ張る立場に変わりはないが、連覇の重圧を背負った過去3大会とは「感じることは全然違う」と語る。5度目の頂点へ、「プレッシャーがないと言ったらウソになりますけど、楽しみ」と胸を高鳴らせた。

 1年前は完敗だった。当時16歳だった平野の強打に「正直、何が起こったか分からない感じだった」と圧倒された。ただ、その敗戦が進化につながった。リオ五輪の翌年。本来であればモチベーションの維持が難しい時期だが、「リオが終わって少し緩んでるところで、これじゃ勝てないなと思った。競争が厳しくなったおかげで、全く緩むことなく頑張ることができた。今考えると、それはすごく良かった」と振り返る。

 試みたのは打球点の高い攻撃的な卓球へのモデルチェンジだ。世界選手権はシングルスで8強。吉村真晴(24)=名古屋ダイハツ=と組んだ混合ダブルスでは金メダルに輝いた。夏場には炎天下で約7キロの走り込みを行うなど体力の強化にも取り組み、8月のブルガリア・オープンで優勝。後半戦になると、新しいスタイルが中国選手にも通用する手応えをつかみ、白星にもつながった。「前半は苦しい時期も多かったけど、後半はやってきたことが身についてきて成長できた。どんどんステップも踏めて結果も出てうれしかった」と充実した1年になった。

 今大会は第2シード。平野とは決勝まで当たらない組み合わせとなった。雪辱に向け、まずは一戦一戦。「最高のプレーができるようにしっかり準備をすることが大事ですし、試合になったら思い切って楽しんでやりたい」と力を込めた。

 ◆女子シングルス展望

 馬場美香監督「優勝争いは平野美宇、石川佳純、昨年4強でカット主戦型の佐藤瞳、橋本帆乃香になる。世界選手権代表の伊藤美誠、早田ひな、加藤美優はランキング外で(外側の)シードにいないので、彼女たちが上位に残るところで波乱があるかもしれない。昨年優勝した平野美宇は最近、勝ちたい、というプレッシャーを自分でかけてしまい、受け身になっている。今は我慢の時。この壁を乗り越えたら再び爆発してくれるだろう。石川はバックを強化していて、多く攻められるようにしている」

スポーツ

×