張本&美宇、国内初陣で連勝発進…東京五輪新種目混合ダブルス

スポーツ報知
混合ダブルス3回戦でサーブ前にラケットで口元を隠して打ち合わせをする平野(左)・張本ペア(カメラ・酒井 悠一)

◆卓球 全日本選手権第2日 ▽混合ダブルス3回戦 張本・平野組3―1柴田・鳥居組(16日・東京体育館)

 混合ダブルス2、3回戦などが行われ、初出場の張本智和(14)、平野美宇(17)=ともにエリートアカデミー=組は初陣から2連勝を飾った。2回戦は大学生ペアに3―0、3回戦は社会人ペアに3―1で快勝し16強入り。昨年の世界選手権を制した吉村真晴(24)=名古屋ダイハツ=、石川佳純(24)=全農=組は3回戦で3―2と辛くも逆転勝利。注目ペアの大島祐哉(23)=木下グループ=、早田ひな(17)=日本生命=組、森薗政崇(22)=明大=、伊藤美誠(17)=スターツ=組も勝ち上がった。

 「はりみう」ペアが国内初陣で、潜在能力の高さを見せつけた。昨年の世界選手権女子シングルスで48年ぶりの銅メダルを獲得した平野と、男子シングルス史上最年少で8強に入った張本。日本卓球界の未来を背負う2人がタッグを組み、初めての全日本選手権で2連勝発進。張本は「最初は浮かせちゃったりミスも多かったけど、徐々に慣れてきて、いい試合ができた」と納得の表情を浮かべた。

 2人が混合ダブルスを組んだのは、16年12月の世界ジュニア選手権(南アフリカ)以来2度目だ。平野は当時を「全然しゃべったことがなくて、(組んで)初めてしゃべった感じでした」と振り返るが、1年でともに大きく成長。ペア練習機会は年末年始に1日1時間が6度程度と限られていたが、所属のエリートアカデミーで講習会や取材などで何度も同席。個人の技術の向上に加え、コミュニケーションが増えたことも連係面でプラスに働き「練習よりいいプレーができたと思う」と進化を実感していた。

 所属が同じとはいえ、高校2年と中学2年。「張本くん」「平野さん」とややカタい呼び方で、張本は「自分が声を出しすぎちゃったらびっくりしちゃうかなと思って」と得点時の雄たけびを控えめにするなど初々しさが残るが、爆発力を秘めた2人だ。平野は「あまり組んだことがないペア。ノビしろはまだまだある」と自ら語り、張本も「高速ラリーや打ち合いもできると思うので、これから楽しみ」と期待に胸を膨らませた。

 4回戦は全日本で優勝経験のある張一博・森薗美咲組と対戦。準々決勝では世界王者の吉村・石川組と当たる可能性があるが、平野は「向かっていく立場。勢いでぶつかっていきたい」と力を込めた。昨年6月に、混合ダブルスが20年東京五輪の新種目として決まった。2年後を見据えて、強化本部推薦で出場した2人にとって、厳しいブロックを勝ち抜くことがさらなる成長への大きな糧になりそうだ。(林 直史)

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