大坂なおみ、4大大会初の16強 日本女子全豪では18年ぶり

スポーツ報知

◆全豪オープン第6日 ▽女子シングルス3回戦 大坂2―0バーティ(20日・メルボルン)

 世界ランク72位の大坂なおみ(20)=日清食品=が4大大会で初めて3回戦を突破した。地元オーストラリアで同17位のアシュリー・バーティ(21)に6―4、6―2で完勝。今大会での日本女子の16強入りは2000年の杉山愛以来18年ぶり。4回戦では、史上最多タイ48ゲームの熱戦を制して勝ち上がった世界ランク1位のシモナ・ハレプ(26)=ルーマニア=に挑む。

 大坂が大きな壁を越えた。8度目の4大大会で6度目の3回戦。12本目のサービスエースで締め、地元期待のバーティを打ち砕いた。「観客の皆さんは彼女に勝ってもらいたかったと思うので、申し訳ない」。両手を上げて声援に応え、ペコリと頭を下げた。

 サーブは最速191キロの高速だけでなく、スライス回転をかけたものを使い分けた。「リターンの位置や状況を見極め、第1セットの途中からつかんだ」と主導権をきっちり握った。ノータッチの決定打は24。第1セットは38分で終え、第2セットも4ゲーム連取。オフに7キロ絞った体で軽快にコートを駆け回った。

 精神面での大きな成長をみせた。第2セット5―1の第7ゲーム、浅い位置でのショットを大きく外した。以前なら落ち込むような場面で、笑みを浮かべた。「こんな大勢の観客の前で、素晴らしい雰囲気でプレーする機会はそうない。楽しもう」。1つのミスを引きずってしまう悪癖を振り払った。昨年9月の全米オープン3回戦で格下のK・カネピ(エストニア)に敗れ、試合中に「もう、嫌だ!」と叫んだ姿はもうなかった。

 今季から憧れのS・ウィリアムズ(米国)らを指導した実績があるサーシャ・ベージン・コーチを帯同する。最初は「あのセリーナといた人だ!」と思い緊張してしまっていたが、常に前向きな姿勢につられ、冗談を言い合い「ずっと一緒にいたみたい」な仲で過ごせている。

 ハレプの試合が長引き、センターコートから2番目の格付けのコートに移った。4回戦はその女王に最も大きい会場で挑戦できるチャンスだ。過去は2度とも敗れてはいるが、最終セットまで競っている。「ここで止まる気はない。いいプレーをして勝ちたい」。壁を乗り越えた大坂に、恐れるものなど何もない。

スポーツ

×