マクラクラン、ダブルスで世界一を撃破!4大大会日本男子63年ぶり4強…全豪オープン

スポーツ報知

◆全豪オープン第9日 ▽男子ダブルス準々決勝 シュトルフ、マクラクラン組2―1クボット、M・メロ組(23日・メルボルン)

 男子ダブルスで国別対抗戦デビス杯日本代表のマクラクラン・ベン(25)が、日本男子63年ぶりの4大大会4強入りを果たした。準々決勝でヤンレナルト・シュトルフ(27)=ドイツ=とのペアで、第1シードのルカシュ・クボット(ポーランド)、マルセロ・メロ(ブラジル)組を6―4、6―7、7―6で撃破。1955年に全米オープンの前身、全米選手権で優勝した宮城淳、加茂公成組以来のベスト4入りを果たした。

 4大大会初出場のマクラクランが大金星を挙げた。最終セットはタイブレイクにもつれ、2度目のマッチポイント。相手が苦しい体勢から上げたロブを、相棒のシュトルフが右腕を目いっぱい伸ばして青いコートに思い切りたたき付けた。ガッチリと抱き合い「(63年ぶりとは)知らなかったけど、すごくうれしい」と喜びをかみしめた。

 ダブルスのみでツアーを転戦するスペシャリスト。ネット前での反応の鋭さと機敏な動きが武器だ。相手のメロはダブルス世界ランク1位で昨年のウィンブルドンを含むツアー通算29勝の王者。第2セットでマクラクランのバックを狙われて落としたが、今大会初めて組んだシュトルフに「僕たちの方が強い」と鼓舞され、「僕も得意のボレーを決められた」と胸を張った。

 ニュージーランド人の父の母国で、日本人の母との間に生まれた。幼い頃に日本で暮らし、日本語はぺらぺら。日本代表経験のあるコーチのトーマス嶋田氏に誘われ、昨年6月に日本へ登録を変更。同9月のデビス杯ワールドグループ(WG)入れ替え戦ブラジル戦で代表デビュー。母の地元・大阪でメロに完敗したリベンジを、生まれ育った場所に最も近い4大大会で果たした。

 この日、日本協会が発表したデビス杯WG1回戦イタリア戦(2月2~4日・盛岡)のメンバーに選出。右手首故障で約5か月戦列を離れているエース錦織圭(日清食品)は外れ、ダブルスの結果がチーム全体の勝敗を大きく左右する。嶋田コーチは「戦うたびに自信をつけている。まだ終わりじゃない」と期待を込めた。

 ◆マクラクラン・ベン 1992年5月10日、ニュージーランド出身。25歳。父のクレイグさんはニュージーランドで空手教室を営み、母の夕利子さんは大阪出身。小学生の頃に大阪で数か月生活したことがある。カリフォルニア大バークレー校卒。2010年プロ転向。昨年9月のデビス杯で代表に初選出された。同10月の楽天ジャパンオープンで内山靖崇と組みツアー初優勝。185センチ、78キロ。右利き。片手バックハンド。

 ◇4大大会での日本人選手のダブルスでの最高成績 男女とも優勝しており、合計5回。男子は55年全米で宮城淳、加茂公成組。女子は75年ウィンブルドンで沢松和子が米国人のキヨムラと組み日本人女子初V。杉山愛は00年全米、03年全仏、ウィンブルドンで優勝。

スポーツ

×