錦織圭、復帰2戦目で優勝「勝って終われるのはうれしい」

スポーツ報知

◆男子テニス・チャレンジャーツアー ダラス選手権 最終日▽シングルス決勝 錦織2―0マクドナルド(3日、米テキサス州ダラス)

 男子テニス世界ランキング27位の錦織圭(28)=日清食品=が、右手首故障から復帰2大会目を優勝で飾った。同158位マッケンジー・マクドナルド(22)=米国=を6―1、6―4のストレートで下した。ツアー下部大会の優勝は10年11月の米ノックスビル以来で6度目。最高の形で調整を終えて、ツアー復帰戦のニューヨーク・オープン(12日開幕)へ臨む。

 錦織が最も欲しかった物を手にした。大きな優勝トロフィーを手に「勝って終われるのはうれしい。今までの中で一番いい試合ができた。試合に戻ってきた感じもする」と笑みを浮かべた。復帰2大会目、6試合。優勝賞金1万8000ドル(約200万円)より、獲得した100ポイントより、真剣勝負をする試合勘が戻ったことが、何よりの収穫だった。

 序盤こそサーブが入らず苦戦したが、ラリーではミスが少なく、確実に追い詰めていった。第4ゲームで相手のミスに乗じてブレイクに成功。「少しリラックスしてプレーできるようになった」とたたみかけ5ゲームを連取した。積極的に前に出て強打を打ち込み、故障明けの右手首に負担のかかるフォアハンドも打ち込んだ。

 相手のマクドナルドは、16年全米大学王者でプロ転向3年目ながら、1月の全豪オープンの予選を突破。2回戦で世界3位のG・ディミトロフ(ブルガリア)に敗れたがフルセットと健闘した。「自分が打っていかないと負ける相手。意識した」と警戒を強めていた。レベルの高いラリーの応酬で勝負師のスイッチが入ったのか、準決勝まで時折のぞかせた不安定さはほとんど見られなかった。

 練習期間と位置づけた2週間を終え、12日から実力者が居並ぶツアー大会に出場する。「なるべく早く自分のテニスを取り戻すことが一番の課題」。求めるプレーに戻りきっていないことは、自分が誰よりも分かっている。世界トップ5へ返り咲き、さらに上を目指す道はまだ始まったばかりだ。

 ◆錦織のこれまでの経過

 ▽17年8月14日 練習中に右手首を負傷。当初は腱(けん)断裂と発表したが、尺側手根伸筋腱脱臼だったと判明。年内休養へ

 ▽同21日 世界ランクが9位から10位に下がり、14年8月25日付以来の2ケタに。(現在27位)

 ▽9月1日 腕全体を覆っていたギプスが外れる。ベルギーでリハビリ開始

 ▽同21日 軽いラケットで打ち始める

 ▽10月末 米国の練習拠点に戻る

 ▽11月24日 日本で公の場に負傷後初登場。「なるべく1月から試合に出たい」

 ▽18年1月4日 全豪欠場と復帰時期を発表

 ▽同23日(現地) 復帰初戦のツアー下部大会(米カリフォルニア州ニューポートビーチ)は1回戦で敗れる

 ▽同29日(現地) 178日ぶりの公式戦勝利

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