水谷、張本に“三度目の正直”雪辱V…新技出し合い「楽しかった」

スポーツ報知
男子シングルスで張本智和(左)を破り優勝した水谷隼はガッツポーズで喜んだ(カメラ・森田 俊弥)

◆卓球ジャパントップ12▽男子シングルス決勝 水谷4(8―11、11―8、5―11、11―6、11―9、11―5)2張本(3日、東京・駒沢屋内球技場)

 男女シングルスが行われ、男子は水谷隼(28)=木下グループ=が3年ぶり4度目の優勝を飾った。決勝で張本智和(14)=エリートアカデミー=を4―2で破り、5連覇を阻まれた1月の全日本選手権決勝の雪辱を果たした。国内唯一の賞金大会で、優勝者は賞金100万円を獲得した。

 水谷が“三度目の正直”で雪辱戦を制した。床に倒れ込みながら得点を奪うなど、気迫満点のプレーでマッチポイントを奪った第6ゲーム。張本の返球が外れると、両手でガッツポーズ。昨年の世界選手権2回戦、1月の全日本選手権決勝に続く通算3度目の対戦で初勝利を挙げ、「すごくホッとしてますね。試合をしていて非常に楽しかった。お互いが新しい技、戦術を見せ合って、次はどんなことをしてくるのか。ワクワクがあった」と笑みがこぼれた。

 対策がはまった。過去2度の教訓を生かし、「強烈なバックハンドは後ろに下がると対応できない。リスクを背負って、前でカウンターを狙った」。サーブの際には半歩前に立ち、張本のフォアハンド側を攻めて得意のチキータ(攻撃的バックハンドレシーブ)を封じた。台上での我慢比べも制し、「今回はいい戦術で戦えた」と胸を張った。

 長年エースの座を守ってきた水谷にとって、14歳下の張本の存在が大きな刺激になっている。「この1年ぐらいそんなにいい成績が残せてなくて、プレーも良くなかったけど、自分もまだまだやれるぞってところを、張本にも周りのみんなにも見せられて良かった」と自信も取り戻した。4月29日開幕の世界選手権団体戦には、張本とともに出場する。しのぎを削り、高め合うWエースが日本を引っ張っていく。(林 直史)

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