張本が丹羽とのフルゲーム激闘制す

スポーツ報知
第7ゲーム 逆転で丹羽に勝利した張本(右)(カメラ・池内 雅彦)

◆卓球 アジア杯最終日(8日・横浜文化体育館)

 男子5、6位決定戦で張本智和(14)=エリートアカデミー=と丹羽孝希(23)=スヴェンソン=の世界選手権団体戦(29日開幕・スウェーデン)日本代表同士が激突。フルゲームの末、張本が4―3で勝利した。

 勝負所で冷静だったのは14歳の張本だった。最終ゲーム、丹羽が10―8とマッチポイントを握ったところでタイムアウトを取った。あと1点をどう取りにいくか。同国対決でベンチにコーチがおらず、自ら考えなければいけない状況。張本は先輩の動揺を見抜いていた。「このタイミングでタイムアウトを取るということは、作戦がないんだろうと思った」。早く追いつきたい気持ちを抑えて冷静になり、どんなサーブがきてもチキータ(攻撃的バックハンドレシーブ)で返す心構えが固まった。1か月前のジャパントップ12決勝で水谷隼(木下グループ)に敗れた試合を思い出し「今度は自分がいけるんじゃないかと希望の光があった」という余裕もあった。

 対する丹羽は、コート外に出て時間ギリギリまで粘ったが「何のサーブを出すか決まらなかった」。迷ったまま出したサーブは甘くなり、強烈なバックハンドレシーブの餌食になり“リターンエース”をくらった。1―3の第5ゲーム、7―10から追いつき、まだリードしている状況だったが「相手が上だった。何を出しても負けていたと思う」と勝利が遠のくのを覚悟した。

 現在の世界ランクは9位の丹羽が日本勢トップに立つ。張本は13位で3番手に位置し「東京五輪のシングルス出場枠は2人。水谷さん(11位)か丹羽さんを抜かないとシングルスで出られない」と2年後を意識して負けられない戦いでもあった。熱戦で会場を沸かせた2人は、29日からはチームメートとして世界選手権団体戦に臨む。

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