中田監督、全日本女子新エース「ポストサオリン」に黒後指名「パワー違う」

スポーツ報知
バレーボール全日本女子の日程

 日本バレーボール協会は17日、都内で全日本女子の始動会見を行い、就任2年目の中田久美監督(52)が、新エースに黒後愛(19)=東レ=を指名した。今年最初の国際大会は5月の「ネーションズリーグ」で、2020年東京五輪へ若手発掘の位置付けとなる大会。指揮官が規格外のパワーに期待を寄せる19歳が全日本デビュー大会で、昨年引退した木村沙織さんを継ぐエースに名乗りを上げる。

 報道陣に「エースに期待したい選手」と問われた中田監督は「黒後」と即答した。合宿開始から2週間だが「度胸がすごい。パワーもちょっと(今までの選手と)違う。頼もしい選手」と素材にほれ込んだ。ネーションズカップは「(国際)経験の少ない若い選手を起用して、(プレーを)見てみたい」という狙いで臨むとした上で、黒後にとっては全日本デビュー戦となる見通しだが、「あまり背負わせず、のびのびとやらせたい」と青写真を描いた。

 12年ロンドン五輪銅メダルで4大会連続出場した“サオリン”こと木村沙織さんが17年3月に現役を引退。リオ五輪(5位)で得点を量産した長岡望悠(26)=久光製薬=が昨年ひざを手術し、今回の復帰は見送られた。若手の古賀、初代表の井上愛らが新エースの座を争う中、指揮官は19歳に期待を寄せた。

 下北沢成徳高では16、17年と春高バレーを連覇し、2年連続MVPに輝いた。力強いスパイクと高い技術力で早くから「木村沙織2世」と注目された逸材。木村さんと入れ替わるように東レに入団すると、1年目の昨季から攻守の中心として活躍し、最優秀新人賞も獲得した。「憧れて、沙織さんみたいなプレーをしたいと思うこともあった。でも(私と)比べてもいいのかな?」と控えめに笑ったが、後継者の資格は十分だ。

 昨年も全日本の合宿に呼ばれたが、代表からは落選。ついに代表入りし「今年は結果が求められる。自分のできる限りで頑張りたい」と決意を新たにした。20年東京五輪の中間点となる今年は9、10月の世界選手権(日本)でのメダル獲得が最大目標。中田監督は「何が通用して何が足りないのか経験してほしい」。20年の星へ、挑戦の1年が始まる。(小林 玲花)

 ◆黒後 愛(くろご・あい)1998年6月14日、栃木県生まれ。19歳。姉の影響で小学3年からバレーボールを始める。下北沢成徳高では16、17年と春高を連覇し、MVPを受賞。17年に東レアローズに加入。17―18シーズンには総得点ランキング12位に入った(271点)。ポジションはウィングスパイカー。180センチ、69キロ。

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